上海の歴史を歩こうvol.3！！（前編）−歴史散歩・旧英国租界編【第4回】−

シェクスの掲示板から始まった歴史散歩の会も、回数を重ねて今回で第4回目を迎える事になりました。去る6月30日、朝からの真夏日を思わせる暑さにもかかわらず、40名を越える参加者が外灘の黄浦公園から旧英国租界の散策をスタートしました。 　｢外灘なら何度も行っている｣という気軽な気持ちで今回歴史散歩初参加した私ですが、新たな発見の連続で「今までこんな所全く気が付かなかったなぁ」と考えさせられるくらいでした。 　今回のコースは黄浦公園から中山東一路×延安路付近の歴史陳列室までのエリアで、見学したのはなんと47箇所､それだけでもいかに外灘エリアに歴史建造物が多く残されているかがお分かりいただけるでしょう。今回はその中からセレクトしてレポートします。（全二回） 上海大廈　 【旧名：Broadway Mansion／北蘇州路20号】 黄浦公園から望む上海大廈。上海アールデコを代表する建造物の一つで､外国人専用マンションとして1934年竣工。その後1339年に日本金融資本への売却後、児玉機関などが利用。現在は4ッ星ホテルとして健在。 ちなみに衡山賓館（旧ピカルディ･アパート／衡山路534号）、浦江飯店（旧アスター・ハウス･ホテル／黄浦路15号）も同集団による系列ホテルだそうだ。 尚、左に見えるのが外白渡橋（Garden Bridge）。 上海大廈 上海市対外貿易総公司 上海市対外貿易総公司 【旧名：Jardine Matheson (恰和洋行)／中山東一路27号】 ネオルネッサンス様式。1832年マカオを本拠地として設立され、アヘン取引で大変儲けたと言われる英国商社だった。 現在はなんと1階に回転寿司屋が入っている。 上海市政府による 「上海市文物保護単位　優秀近代建築」の認定プレート。 中国工商銀行 【旧名：横浜正金銀行／中山東一路24号】 パーマー&ターナー事務所（以下Ｐ&Ｔ）設計による古典主義様式建築。1924年竣工。大理石の列柱が見るものを圧倒させる堂々たる建造物だ。 中国工商銀行 中国銀行上海分行 中国銀行上海分行 【旧名：中国銀行総行／中山東一路23号】 1937年竣工。ドイツ倶楽部跡地に建設された､アールデコ様式の建造物。現在も中国銀行として営業している為、両替ついでに中を見学する事も可能。 右下の写真は同銀行の入り口。 重厚な回転扉からも歴史を感じられる。 ↑中国銀行玄関部の柱に彫られた彫刻。ゆっくり散策する事で細部へも目を向ける事ができる。 和平飯店 和平飯店北楼(写真・左) 【旧名：Cathay Hotel/Sassoon House/南京東路20号】 1929年竣工。Ｐ&Ｔ設計によるサッス−ン財閥の本拠地。緑の三角屋根が特徴的な、お隣の中国銀行と並ぶアールデコ･スカイクレーパー。11階屋上からの眺めは最高。当ホテル１階ロビー奥には老年ジャズバンドが出演する「爵士酒ロ巴」がある。 和平飯店南楼(↑写真・右) 【旧名：Palace Hotel／南京東路23号】 1906年竣工。ヴィクトリアン・ルネッサンス様式で、当時上海で初めてエレベーターが登場したビルディングである。 右の写真は、和平飯店南楼の壁面に掲げられた「万国禁煙会会址」のプレート。 ちなみにここでいう｢禁煙｣はアヘン禁止のこと。 外灘郵電支局 外灘郵電支局 【旧名：三菱銀行／九江路36号】 第一次大戦後の綿紡績業を中心とした資本拡大支援の為1917年設立。現在は郵便局なので、内部見学可能。 九江路上には同じころ、三井銀行(1917年。現上海建設銀行)、住友銀行（1916年）も開設されている。 　 後編へ続く＞ 　「よろず情報交換」から広がった、この「歴史散歩」の輪。(関連投稿内容はこちら) ※散歩にお出かけになる際は、当サイト内の関連記事を是非お読み下さい！ ■上海の旧租界地・歴史関連の特集記事（掲載日時順） ・KONOKの租界探索：虹口編（後編） ・KONOKの租界探索：虹口編（前編） ・上海の歴史を歩こう vol.4！！（後編） ・上海の歴史を歩こう vol.4！！（前編） ・上海の歴史を歩こう vol.3！！（後編） ・上海の歴史を歩こう vol.2！！ ・上海の歴史を歩こう vol.1！！ ・特別対談(第二回目)！KONOK v.s. 木之内先生 ・特別対談！KONOK v.s. 木之内先生(「上海歴史ガイドマップ」編著) ・写真集『上海日本人居留民』