上海の歴史を歩こうvol.3！！（後編）−歴史散歩・旧英国租界編【第4回】−

先週お届けした第４回歴史散歩の会【旧英国租界編】レポートの後編です。 　今回は当時いかに上海がアジアの国際経済の中心であったのかを偲ばせる銀行・金融関係の建物等をメインにご紹介致します。 前編をご覧になりたい方は＜こちら＞からどうぞ！ 【旧名：Deutsch-Asiatisch Bank（徳華銀行）／九江路85号】 1889年設立のドイツ資本の拠点となった銀行。 壁面に中華紋様とハーケンクロイツを合体した彫刻が施されているのが非常に興味深い。 広東発展銀行 【旧名：四行儲蓄会／聯合大楼／四川中路261号】 1928年竣工。英国新古典主義様式建築。 広東発展銀行 浦東発展銀行（写真手前） 【旧名：匯豊銀行（香港上海銀行上海分行）／中山東一路11号】 浦東発展銀行＆上海海関 1923年竣工。やはりP&Tによる設計で、当時極東で最も美しい建築物との評価を得た新古典主義式建築。1955年以降上海市人民政府が置かれるが、現在の人民広場前移転に伴い1996年浦東発展銀行に使用権を売却した。ドーム天井のモザイク画が非常に美しく必見である。 上海海関　（写真奥） 【旧名：江海関／中山東一路13号】 現在の建築は第3代目で、1927年竣工。古典からアールデコ様式への過渡期がうかがえる時計塔が印象的なバンドのシンボル的存在。 メイン建築物を鑑賞した後、一行は中山東一路を曲がり福州路へと進みます。福州路上では小さな発見の連続でした。 木製の電柱 木製の電柱／福州路 福州路の歩道に残る木製の電柱。旧英国租界であったことをしのばせる。（現在も使用されている。） 福州路で見つけた石のプレート 右隅に「Parmer & Terner 設計事務所」と文字が彫られている。 石のプレート 匯豊銀行の通用門 【匯豊銀行（香港上海銀行上海分行）裏門／福州路40号】 匯豊銀行の通用門 上述した匯豊銀行の通用門。 表示の「HSBC」の４文字を組み合わせたマークは、「Hon Kong & Shanghai Banking Corporation」の略である。 　 租界時代のマンホール／福州路×江西中路 旧工部局玄関付近で見つけたマンホールに注目 蓋上のアルファベットはそれぞれ、 「S.M.C = Shanghai Municipal Council」 「P.W.D = Public Workers Department」 の略である。 租界時代のマンホール 匯豊銀行の通用門 黄浦区中心医院問診部 【旧名：三菱公司／広東路86号】 三菱合資会社上海支店。 ちなみに手前で地図とにらめっこしているのは、歴史散歩メンバーの皆さん。 　 永年人寿保険公司 【旧名：パリ国際銀行／広東路93号】 玄関に入ったところにある壁画､彫刻が絶品らしいが、今回は残念ながら内部見学ならず。 永年人寿保険公司 上海広播事業局【旧名：グレンライン･ビル】から上海大廈までバンドを一望する 外灘（バンド）の全景 この写真は今回最後の見学地であった外灘歴史陳列室【旧名：気象信号塔／中山東一路×延安路】から撮影した物である。 ここは現在2階がカフェになっており、塔内の螺旋階段を上ってオープンテラスでお茶を飲む事ができる。外灘の全景を撮影するには最適。対岸の浦東高層ビル群も一望できる。 　 参考資料： 歴史散歩世話役の片山氏作成資料 参考文献： 木ノ内誠著 藤原恵洋著 村松伸著 「上海歴史ガイドマップ」　 「上海､疾走する都市」 「図説上海　モダン都市の150年」 本件に関する、写真及び記事の掲載または転載を希望される方は、編集部 webmaster@nicchu.com までご連絡ください。 ※当ウェブ上では画像のサイズを小さくしておりますが、印刷向けのサイズ提供も可能ですのでご相談ください。 　「よろず情報交換」から広がった、この「歴史散歩」の輪。(関連投稿内容はこちら) ※散歩にお出かけになる際は、当サイト内の関連記事を是非お読み下さい！ ■上海の旧租界地・歴史関連の特集記事（掲載日時順） ・KONOKの租界探索：虹口編（後編） ・KONOKの租界探索：虹口編（前編） ・上海の歴史を歩こう vol.4！！（後編） ・上海の歴史を歩こう vol.4！！（前編） ・上海の歴史を歩こう vol.3！！（前編） ・上海の歴史を歩こう vol.2！！ ・上海の歴史を歩こう vol.1！！ ・特別対談(第二回目)！KONOK v.s. 木之内先生 ・特別対談！KONOK v.s. 木之内先生(「上海歴史ガイドマップ」編著) ・写真集『上海日本人居留民』