蒸し暑い日が続く上海でこんな時期はずれな話をするのも少しおかしいのだか、われわれが訪れたウルムチ(1月下旬)は寒かった。10数年ぶりの寒波で凍死者が出ているニュースで盛んに騒いでいたくらいなのでそれは寒い冬だ。
最低気温マイナス31度。まさにバナナで釘が打てる世界。もちろん街角の果物売りのバナナはガラスケースに入れられ凍結対策が採られている。こんな厳冬のなか、冬に生息する動物を撮影するためウルムチ動物園に向かう。写真は国家一級保護動物の雪豹(ユキヒョウ)のものだが、ひたすらオリの中で横たわる写真しか撮れなかった。厳冬の地で元気に生息している動物たちもこの寒さがこたえているのだろう。
雪豹のとなりにはトラがいるのだが、このトラは木に登り元気に動いているため、動く雪豹の撮影のため待つこと10分。寒さが体のしんまで冷やし生命の危機を感じたのか「そろそろ戻りましょう」ということなる。その間もトラは盛んに動いている。その後、車中でこのトラが話題になる。カメラマンが一言「あのトラ生命の危機を感じて丸太に向かって生殖行動してたね」今年ウルムチの冬はそのくらい寒かった。
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