TOP連載新・KONOKの中国雑知/クルバン祭

     

「クルバン祭」



私たちが訪れたこの時期はちょうどイスラム教のクルバン祭とうい日本でいうところの正月であった。この時期イスラムへの忠誠心を表す意味で、経済的に余裕のある家庭は羊を一匹つぶし、アラーの神にささげる。

イスラムではナイフで一頭の羊をつぶすのは男の仕事である。現在は専門の業者がさばいた物を売っている。その手さばきは見事なもので、街で売られている羊は大変新鮮でまだ肉からその体温で湯気がでている。

この祭りの期間、カシュガルにあるエイティーガル寺院には、周辺からたくさんの人が集まり、祈り、踊る。寺院の上にラッパに似た「ラワプー」と太鼓を持った男たちが音楽を奏ではじめると寺院広場に集まった1000人を超える民衆の中から誰ともなくサマ踊りをはじめる。サマ踊りのサマとはウイグル語で「シャーマン」の意味。この辺りで信仰されていた多神教に由来する踊りで、腕を大きく振り上げ、右へ左へ音楽に合わせ体を大きく旋回させる。最初は2、3人の男性が踊っているだけだが数分後には何百人規模の踊りになった。

独特のリズムとそれに聞き入るウイグル人の彫りの深い顔、そしてどこからともなく匂うシシカバブ(羊串)と不思議な香りに心臓がドキドキしているのを感じた。

 

 


掲示板】【前回へ】【次回へ】【バックナンバー



エクスプロアグローブTOP] [連載TOP] [エクスプロア中国トラベル ホテル&航空券]

Copyright(C) since 1998 Shanghai Explorer