TOP連載新・KONOKの中国雑知/「ガイドの趙です」

     

123日「 ガイドの趙です」



 今回の旅には大変心強い味方がいた。新疆で数少ない漢族のガイド趙さんだ。漢族ながら幼少時代をガシュガルのウイグル人家庭で過ごし、日本語はもちろんウイグル語まで操りその上中国人には少ない物腰柔らかで一緒に行動していて大変気持ちがいいガイドだ。

もともとは、カメラが好きで高校を卒業した後、ウルムチの専門学校で撮影の勉強をした後が当時のウルムチには、撮影所の仕事などなく仕方なく故郷のカシュガルに戻り、ホテルの仕事につく。ホテルでは監視カメラ室の管理を負かされ、朝から晩までビデオテープの整理をしていた。当時はまだビデオデッキがあまり普及しておらず、ビデオデッキの操作権をもっているだけで、仲間が海外からの映画など当時の中国ではなかなか見ることのできない作品をみる機会に恵まれた。

その後、彼はフロントに部署換えされそこで外国人と接するようになり、日本語の勉強を開始する。当時カシュガルでの日本語の勉強といえば、独学と宿泊客との会話練習が唯一の学習方法だったのだろう。その後、趣味のカメラと当時入会していた中国カシュガル登山協会から日本語が使える山岳ガイドとしてとして中国とパキスタン国境の山々の登頂を目指す日本の登山隊の通訳として数年にわたり活躍することになる。

旅行中に何度も山の話を聞いたが、「天然記念動物を食べた」とか「日本隊の持物(本)の処理に困った」などどれも楽しいものだった。ただ数週間にわたるテント生活や厳冬の環境下での登山隊は決して楽しいもの少なくどちらかといえば辛い話ものが多く、彼自身はもう山には登りたくないそうだ。

現在でも中国の登山協会では中国人であれば25万円くらい(日本では100万ほど掛かり、しかもかなりの経験者でなくてはならい)で特別なトレーニングなしで7,000m峰を登らせてくれるらしい。この知らせにカメラマンと私は目を輝かせ、目の前にそびえる7,000m峰を前にこの夏は趙さんの紹介で必ずこれらの山々にアタックする決意を固めた。

 

 


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