TOP連載新・KONOKの中国雑知/「西安―ウルムチの機窓から」

     

1月21日「西安―ウルムチの機窓から」



  西安は、この時期いつも霧が掛かったようなはっきりしない天気が続く。スモッグだというが、実際のところはわからない。ホテルのカーテンを開けると朝なのか夕なのかわからないぼんやりとした天気に少し重い気分になる。ただここ西安からがシルクロードへの長い道のりの始まりであり、このはっきりしない天気も考え方を変えれば、幻想的なシルクロードの入り口ということで旅気分を盛り上げてくれるのかもしれない。

朝、10時の飛行機でウルムチへ向けて出発、西安からウルムチまで約3時間以上かかり、ちょっとした空の旅だ。離陸すると厚い霧と雲を抜け青空の中に出る。しばらくすると雲も霧もうそのようになくなってしまう。眼下には茶色の一色の荒涼とした大地が広がり、上海を出たときの機窓からの冬ながらところどころに緑を残し、人家暖かさの残る風景とは明らかに違う。民家もなければ道もない枯れ砂漠と乾いた山脈に残雪がところどころ残るだけ、その雪解けの水が支流に集まりしだいに本流に合流する。それが北の地平線まで続いている。きちんと計算された模様にようにも見えるし、葉の葉脈のようにもみえる。規模は違えど手付かずの自然の法則が残っている。この原野に生きる人たちがどんな文化伝承し生活をしているのか。ぼんやりとそんな景色を眺めていると飛行機は大きく旋回をはじめ再び雲の中に吸い込まれていった。

 


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