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~白茶で猛暑をのりきろう~

連載第88回

夏には白茶がお勧めです。。

白茶には夏ばて予防などの効用があり、湿度と温度の高い東南アジアに住む華僑に親しまれているお茶です。白茶の1番手はイギリスのロイヤルファミリーにも愛されてきた優雅な 「白毫銀針」、2番手は「白牡丹」、3番手は香港っ子にも人気の大衆茶「寿眉」。日本茶で言えばお番茶でしょうか?お財布にも胃にも優しいお茶です。

白茶 BaiCha

~ 福鼎白茶 ~

【品種】
福鼎白茶は摘み基準別に白芽茶(白毫銀針)と白葉茶(白牡丹・寿眉)に分けられます

 

福建省福鼎市

白茶は主に福建省の福鼎と政和で作られています。



白毫銀針

白毫銀針の「白毫」は紅茶のペコーの原語であり芽だけを使った白茶を代表する高級茶。

【煎れ方・味わい】

 煎れ方:透明グラス或いはガイワン・急須などを使用し、水温85~95℃で、通常連続4-6回煎れられる白毫銀針の茶葉をグラスに入れて湯を注ぐと、茶葉がしとやかに舞うように動きだします、上下に浮き沈み、お互いに交差しあったり、美しく優雅な様子がみられます。
 その味は新鮮で芳醇、ほんのり甘味があります。茶湯の水色はやや黄色で、軽く啜ると気持ちが爽やかになり、味は爽やか且つ濃厚で、茶葉の産毛の香りが悠々とし、見た目の美しさと保健効果があります。
 白毫銀針は福鼎白茶の極上品。緑雪芽を母なる茶樹とし、それと同じ血統で国内外の市場で世に名を広めています。
 中国国内では三度も中国名茶、歴史10大銘茶の称号を授与され、1891年白毫銀針は独自の商品として海外へ輸出。1912-1916年には国際茶葉市場でも販売、華僑用赤糸結び包装の白毫銀針は大切なお客様への贈答品として使われたそうです。清、嘉慶初年に白毫銀針は世界名茶としての栄誉を受け、英国エリザベス女王は白毫銀針を格別に愛されたそうです。

白牡丹

 †福建省福鼎市太姥山 白茶の産地
 清時代の名人周亮工の著書《閩小記》より:
白毫銀針は太姥山鴻雪洞で生まれ、その性質は寒性で薬効があり、麻疹などを治療する聖なる薬である。
 †こちら、白茶の2番手!白牡丹の生葉
 一葉・一芯二葉で摘んだ芽を使用します。

  †只今萎凋中。
 白茶の製造方法はとても自然でシンプル!
 他のお茶と違って白茶は炒めない揉まない、すなわち萎凋と乾燥の二つの工程だけしかありません。最少の工程で加工し、最大限に白茶内に含まれる活性酵素とポリフェノールを保留します。
  †日光で干してかなり水分が飛んで萎れてきました。
 明時代の田芸蘅の著書《煮泉小品》より お茶は火で作ったものは劣り、日干しが上級品で自然に近い。と記載しています。
 シンプルな製造工程の白茶は最も自然に近い、最もエコロジーなお茶といえるかもしれません。


【中国の古典に見られる白茶に関する記述】

明時代李時珍の著書《本草綱木》より:
 お茶は崖と林の間で生まれ、味は苦くてその性質は寒性で、解毒、利尿、少寝、暑さを和らげる、肌を潤おすなどの効果がある。
 上古時代から人々に白茶はかなり高い薬用効果があることを発見し、太陽に干して貯蔵した。現地の庶民たちは、古くから白茶で熱をとり、体内の毒を排出し、炎症を抑え、汗出し体内の湿気をとり除き避暑し、風邪を治し、歯痛み・熱・麻疹等の病気の治療に用いた。漢方の原理において白茶は性質が寒質で、清熱降火、暑除去解毒で、病気治療の効能があることが証明されている。

【白茶の効用】
1)肝臓を保護し養う:
 福建農林大学中国白茶研究所所長の袁弟順博士はフォーラムで白茶の肝臓を保護する効果を強調。サンプルを比較すると、120℃で乾燥した白茶は明らかにCC14の肝臓細胞に対する病理を軽減することができ、且つ高分量の保護効果は中、低分量より優れている。白茶は肝臓保護の効果がある。それと同時に白茶の加工技術は肝臓保護の効果に大きく影響する。
 研究結果より30℃で乾燥した白茶もCC14の肝臓細胞に対する病理損傷を明らかに軽減することができ、白茶の肝臓保護効能は、白茶の長時間の萎凋加工技術にあることが明らかに。

2)コレステロール低下:
 福鼎白茶は、抗凝固と繊維素溶解の効能があり、血液の高凝固状態を変えて、コレステロール濃度を低下し、且つ抗凝固薬物の副作用がないため、健康的にコレステロール低下と脳血管の予防と心血管保護に著しい効果がある。

3)血圧を下げる:
 福鼎白茶には豊富なお茶ポリフェノール、ビタミンCとビタミンPが含まれ、お茶ポリフェノールはビタミンCの吸収を促し、ビタミンCはコレステロールを動脉壁から肝臓に移動させ、血液の中のコレステロール濃度を低下すると同時に血管のストレッチ性と浸透能力を増強して心血管系統を保護する。 福鼎白茶に含まれてアミノフィリンは血管を拡張し、血液の流れをよくし、血圧を下げることにも有益。
白茶は利尿、ナトリウム排出の効果を通じて間接的に血圧を下げることができる。
 今日でも福建一帯の漢方医は白毫銀針を処方する事が多く、現在白毫銀針が高血圧を治療できる事は海外にも知られている。

4)血糖値の低下:
 福鼎白茶には人の体に必須な豊富な活性酵素と茶多糖類成分が含まれ、白茶の中の茶多糖類の含有量はその他のお茶の5-100倍の10.2%で、血糖値低下に不思議な効果がある。活性酵素成分は他のお茶の2-3倍で、中国国内外の医学研究によると:長期的に白茶を飲用すると明らかに人の体内の脂肪酵素の活性を向上することができ、脂肪分解代謝を促進することができる。また福鼎白茶のお茶ポリフェノールとエステルはインシュリン分泌量を有効的にコントロールし、グルコースの腸の吸収を伸ばし、インシュリン合成の作用を促進することができる。カテキンの中の多糖類物質は体内の血液の中の余分な糖分を分解し、血糖の低下と調整をして血糖のバランスが取れるように促進できることが証明された。

5)利尿・解毒作用:
 約2000年前、《神農本草経》には、神農は白草を食べ、七十二毒にあって、荼で解毒されたと記載されている。
 荼は即ちお茶で、唐時代の陸羽《茶経》によると;茶の飲用は神農氏から始まったとされる。
 福鼎白茶の含有量の高いポリフェノールの中のフラバノール化合物は腎臓血管の拡張を刺激し、腎臓の血の流れを増やして、腎小体の濾過率を増加して、尿液の中の乳酸を排除して利尿排毒の効果を得ることができる。

6)疲労をとる、心を養う、心を快活にする:
 白茶の中のカフェインとフラボノイルは脳下垂体の動きを活発させ、筋肉の収縮を強化し、疲れを解消して脳をすっきりさせ、思考時にプラスになります。白茶は何煎も繰り返し煎れられることが特徴です、茶一杯で疲労回復と元気になる効果がある。
 テアニンは肝臓内でエチルアミンに分解され、エチルアミンは;ガンマ - デルタT細胞という人体の血液免疫細胞を呼び出して外界からの侵害を食い止める反応を引き起こし、それによりT細胞がインターフェロンの分泌を促し、体に感染を防止する;化学防御線;を形成することができる。アメリカの科学者であるハーバード大学医学部のホドルコフスキー博士の研究によると、白茶は体の血液免疫細胞のインターフェロン分泌量を5倍増加させ、長期間白茶を飲用すると体の抵抗力の向上と免疫力を増強できることが確認された。

7)呼吸器損傷の治療:
 中国疾病予防管理センターの栄養と食品安全所の韓馳教授の話によると、長期間福鼎白茶を飲用すると血糖を正常レベルに維持でき、且つ喫煙による呼吸器の損傷を予防することができる。福鼎白茶は喫煙により損傷されたDNAを修復し、且つ効果も非常によい。これは天毫茶業が人体実験により得た結論ですので、長年の喫煙者は白茶を沢山飲むことがお勧め。

8)気候風土に合わない:
 現地の人々は、数年寝かした白茶に少し塩を加えて、気候風土に合わない症状を治療する民間の処方としてよく使う、効果も良好。

 以上、福鼎の天毫茶業茶葉会社の白茶の紹介文を(2011年製作)翻訳しました。

 

wenwen 2011年6月21日

 横浜で上海茶友同窓会が開催されました横浜スカイビル29階「梅の花」にて豆腐懐石ランチ、中国茶喫茶「茶語」でティタイムを楽しみました。横浜東京の茶友を中心に、はるばる千葉からもご参加頂きました。幹事をしていただいた聖櫻さん、ご参加頂いた茶友の皆さまに非常感謝!

 文文は日中クーラーを使わず白茶を飲んで涼をとり節電しています。また、パソコンの前に長く座ることが多いので、菊茶でティーブレイクをして目の疲れを和らげています。菊茶は目と肝臓に良いと言われていますよ。横浜でも毎日中国茶とともに過ごす生活です。

 次回こそ!鳳凰単そうの旅をご紹介致します~。2011年7月9日 Text・photo文文

 

お知らせ

 この度、中国茶パワーを皆さまにお伝えしたく連載を書かせて頂きました。緑茶・白茶・ウーロン茶・プーアール茶・紅茶の各種茶の特徴や効用、おいしい淹れ方など紹介に加え、茶壺や茶会などについても解説しております。
 時に心を解きほぐし、時にパワーを与えてくれる中国茶。成人病予防やダイエットの効果があるともいわれます。中国茶を既に楽しんでいる人にも、これから始める人にご覧いただければ幸いです。

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目  次
  • はじめに~中国人のパワーの源
  • 第一章 お気軽チャイニーズ・ティー・パーティ
    • 季節と体調にあった中国茶選び
  • 第二章 春のお茶~やさしい緑茶~
    • 杭州の銘茶 龍井茶
    • 清明節
    • 蘇州の銘茶 碧螺春
    • 中国最初の献上茶 紫筍茶
    • 目で楽しむ中国緑茶
    • こんなに簡単 緑茶の淹れ方
    • 緑茶の製造方法第
  • 第三章 夏のお茶~白茶で免疫力をつける~
    • 皇帝も愛した白毫銀針
    • 福建省福鼎へ白茶の旅
    • 白茶の力
  • 第四章 秋のお茶~自然のアロマ 青茶(ウーロン茶)~
    • 七煎入れてもまだ香りのある鉄観音
    • プレミアム台湾ウーロン茶
    • 二つの例外的台湾茶
    • 台湾新感覚スタイル茶
    • 華やかな香り 鳳凰単ソウ岩茶のストーンパワー
    • ウーロン茶の淹れ方
  • 第五章 冬のお茶~身体を温める紅茶~
    • 紅茶のルーツは中国福建省
    • 正山小種
    • キーマン紅茶
    • 雲南紅茶
  • 第六章 成人病予防に黒茶
    • 黒茶の保健効用
  • 第七章 ダイエットにプーアール茶製造方法の違う二種類のプーアール茶
    • 投機の対象になったプーアール茶
    • プーアール茶の楽しみ方
  • 第八章 ジャスミン茶でリラックス
  • 第九章 魔法の茶壷~紫砂壷~
    • 購入時の注意点
  • 第十章 中国茶でいきいきライフ
  • 第十一章 オリジナル調合茶できれいになる
  • 第十二章 中国茶のバイブル
    • 中国人にとって茶とは日本と中国茶
  • 第十三章 自由にアレンジ中国茶会
    • 中国茶会を開いてみよう。
    • 中国茶会で季節を感じる
    • 流派をこえた無我茶会
  • 最終章 中国茶の魅力
全編を読みたい方は、中国智慧市場(180エクスプロアポイントが必要です・サンプル)または本サイトの携帯電話版「エクスプロアどこどあ」(315円/月)でご覧いただけます。


本連載第37回以降を担当している文文による「中国茶パワー」は、 中国茶を既に楽しんでいる人にもこれから始める人にも必読の中国茶紹介の書です。

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