文文の中国茶道体験記『奉茶』(茶園小築)の中国茶道講座17
最新の
中国十大銘茶
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今回は杭州の茶葉博物館で発表される最新の中国十大銘茶をご紹介しましょう。10種類のうち、なんと過半数の5種類に緑茶が入っています。中国大陸で緑茶の生産量・消費量が一番多いと言われるのも納得ですね。杭州博物館のお膝元でとれる、龍井茶(ロンジン茶)も、入っていますよ。龍井茶は、清明節前(現在の暦では4月5日頃が清明節)に採れるお茶が最高とされています。本当にいいお茶に出会う機会は、そう沢山あるものではないそうですので、その年に、その季節に一番美味しいと言われるお茶を試して、ご自分の好みに合うお茶に出会えれば幸せですね。
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@龍井茶(緑茶) 獅峰・翁家山・杭州などが主な産地
A碧螺春(緑茶) 蘇州・太湖周辺
B黄山毛峰(緑茶)
安徽省黄山(海抜が高い)
午後茶葉を摘み取って夜にならないうちに製茶するのがポイント。
@〜Bが中国三大緑茶です。
C屯緑(緑茶) 安徽省黄山が産地
D平水珠茶(緑茶) 浙江省平水鎮 グリンパールとも呼ばれ丸まった緑茶。欧米人に好まれる
E祁門(紅茶) キーマン紅茶。イギリスでも人気の紅茶(茶道講座6をご覧下さい。)
F滇門(紅茶) 雲南省の紅茶
G大紅袍(青茶) 武夷山のウーロン茶である岩茶の王(茶道講座5をご覧下さい。)
午前中に茶葉を摘み取って、14時間以内に製茶するのがポイント。
H鉄観音(青茶) 安渓省のウーロン茶 (茶道講座9をご覧下さい。)
I凍頂ウーロン(青茶) 台湾のウーロン茶(茶道講座16をご覧下さい。)

今回は新茶の西湖龍井茶を愉しみましょう。
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中国天下第三泉と言われる、杭州の名水『虎跑泉』。表面張力の強い水として有名です。この水で、西湖龍井をたてると絶品のお茶になるそうです。
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こちらが西湖龍井の茶葉です。一芯一葉(旗槍)、又は一芯二葉(雀舌)。独特の10回の動作で釜に押し付けるように作られる為、茶葉の形は扁平(平たい)・光滑(なめらかで、つやがある)。色は翠緑色、新鮮でとてもいい香りがします。
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今回のお道具はこちらです。2個の茶海(ちゃかい)を使います。茶葉の浮き沈みを見て愉しむために、ガラスの茶海を用意しましょう。一般的には聞香杯(背の高い方)は青茶(ウーロン茶)の香りの変化を愉しむために使いますが、今回は新茶の香りを愉しむために使用しましょう。中国茶には、『愉しむ』事が沢山ありますね。
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淹れ方は『洗杯』→『洗葉』→『1煎目のお茶』といつもと同じ手順です。緑茶は一般に70〜80℃が適温ですが、新茶の場合はやや低めの60〜70℃が適温です。温度を下げる為に、少々高い位置からお湯を注ぎましょう。
今回お茶を淹れて下さったのは、奉茶(茶園小築)の高級班のZ太太。(太太=中国語で奥さんの意味)お手前はもちろん、お茶の知識もナンパーワンの生徒さんです。
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ガラス茶海(ちゃかい)の中で浮き沈みする茶葉を見て愉しんで、聞香杯(もんこうはい)で香りを愉しんで、最後に味を愉しみます。お味はさっぱりとした中に、甘味やコクをしっかり感じました。
この緑茶は、癌予防にもなるそうです。本当っ!?
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天下第三の泉『虎跑泉』。文文は新緑の季節の杭州が大好き。上海での喧騒を忘れ心静かな時が過ごせます。
お茶教室:奉茶(上海茶園小築)
新店舗 上海市栄華西道19弄1号金龍公寓103号室(古北地区・水城南路の上島コーヒー正面玄関向かい側。)86-21-62953092
今年2月より雅号を『奉茶(ほうちゃ)』とし、新店舗にて営業開始。上海在住の日本人太太(奥さん)にセンスが良い茶道具・品質の良い茶葉がそろうと定評のある李娜(リナ)さんが経営する雅なお茶屋さん。お客様に心をこめて淹れたお茶をお出しする事をモットーとしており、日本の皆様にも中国茶を通して中国文化を味わって頂きたいとのメッセージを頂きました。