◆農民画について◆

上海近郊の「金山」という場所で描かれる「金山農民画」が最も有名ですが、農民(どちらかというと一般市民、というほうが正しいかもしれません)がその地の生活の風景や独特の風物などを素朴なタッチで描いた絵が人気になり、「農民画」の名前で広まりました。一人の有名な画家によるものではなく、一般の人々が日常生活を描いたものですので、絵にはそれぞれ個性があり、色使いや対象物のとらえかたも様々です。筆者の個人的な感想では、心和む風景が描かれながらも、人物や動物に目立った表情が現れていないので、それだけに描き手の意思や感情に捉われることなく、純粋に1つの風景として見る人の自由な感性で作品を理解することができるような気がします。ともあれ、農民画からは実り多く、恵まれた環境で伝統を守る農村の生活が伺えます。中国の農村というと貧困に苦しむ暗いイメージがありますが、上海など都市近郊の農村は豊かで潤っていると言われていますし、実際その通りです。また、農民画からは季節折々の風習や伝統行事などが観察できて楽しいです。描かれている対象は様々で、農家の台所の様子、婚礼の準備、家畜や山に住む動物、植物、食物、漁や農作業の風景などバラエティに富んでいます。下記ではそのなかのほんの少しをご紹介します。
 農民画は金山にある「金山農民書院」に沢山の作品が展示してあり、上海の中心部から車で30分ほどですので、上海に行かれることがあれば、ちょっと足を伸ばして訪ねてみてはいかがでしょうか。きっと「私の一枚」にであえることでしょう。


 

例えばこの農民画のタイトルは「回娘家」(里帰り)です。(ポストカードには訳として「実家に帰る」とありますがこの場合「里帰り」のほうがぴったりくるような気がします)。
中国の伝統的な上着に藍染の小物を身につけているお母さんも興味深いですが、目を引くのは子供のおくるみです。頭に耳が付いた、いわゆる動物の着ぐるみのような赤ちゃんのおくるみは今でも子供服店で売られています。

こちらのタイトルは「西瓜豊収」つまり「スイカが豊作」でしょうか。この真ん中の山と積まれたスイカ、夏場の中国を訪ねたことのある人ならどこかで見かけたでしょう、信じられないくらいの数のスイカを積み上げているんです。そしてスイカが弦になっている様子や、桶にいれて運ぶ様子などリアルに伝わります。またパイプをくわえたおじいさんや子供が遊んでいる後ろのわらぶきの家の中には、これも中国中で見かける赤いプラスチック製の魔法瓶がおいてあります。
こちらは「竹林養蚕」、訳は「竹林で蚕を飼う」となっています。蚕を竹林で飼うことや、ザルにいれてつるすところなど実際に見たことはありませんが、中国の農村ならでは、という感じがしますね。
農民画のポストカードのご購入はこちら


*これらのポスカードは「金山農民画1」に納められています。


Copyright 2003 Shanghai Explorer