(本書帯)
「君は日本に帰ったほうがいい。もしかしたら、文化大革命のような鎖国状態になるかも知れない」自ら何も言い出さない私の気持ちを夫は察していたのだろう。
「自分は中国人であるからこの事態を受け入れるが、君は日本人だ。君だけは安全な国へ逃げろ」
ー本文よりー
(本書扉)
2005年3月、14年ぶりに居住地だった中国・広州市を一人訪れ、当時を想い出しながら、かつての住まいと大学を巡り、旧友と再会する回想録。
中国に移り住む際の離日する心情から、大学教員住宅での生活、日本語教師としての学生との交わり、旧友を通してみる現在の中国における高所得者層の生活、義母の死、そして帰国のきっかけとなった天安門事件を自分の心情を織りまぜ再現したものを収録。