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内装工事を終えて

 

内装工事がやっと終わった。

とにかく1ヶ月あまり、いろいろと翻弄された。この1ヶ月で得た知識と中国への再認識は非常に貴重な体験だった。

上海人に内装工事について聞いてみれば、決まって「面倒・トラブル続出・体を壊す・・・」などの答えが返ってくる。とにかくまだまだ未熟な業界であるだけに、その問題は計り知れない。それを筆者のように外国人が一人でチャレンジするとなると、確かに無謀かも知れなかったが、大きなトラブルもなく無事に終了した今となれば、やれやれといったところである。結論から言うと、内装工事は我々外国人でも「忍耐力」さえあれば十分に出来る作業である。(写真は左から我が家のペンキ屋の石さん、大工の郭さん)

そもそも、内装工事がなぜ大変であるか?それはひとえに設計図や施工の計画表など日本の建築現場では非常に細かく決められていることが、ここ上海の住宅内装の現場ではかなりずさんであり、最終的には現場の判断で決めてしまうというようなケースが非常に多いことに関係があると思った。とにかく大雑把なのである。甚だしい場合は図面すら見ないようだ。そのため、施主は一つ一つ自分で確認しなければならない。日本では「現場監督」という業種があるが、中国では一般にはこの現場監督を施主が務めるわけなのである。もちろん中国にも現場監督はあるわけだがまだ一般化していないと言ってもよい。いつにどの業者を入れるか、業者とコンタクトをとる作業も施主の仕事なのである。(写真上はリビングからダイニングと玄関を望む。右は書斎)

 

中国で生活したり、仕事をしたりしている人ならまず痛いほど認識されていると思うが、ここでは他人に任せることが非常に難しいのである。「没問題=有問題」などはその典型だろう。そのために、広く市民が見学できる建材市場など大規模な市場やホームセンターが上海で驚くほど発展している。市民一人ひとりが自分の家に使う材料についてじっくりと吟味しないといけないからだ。

 また、材料の購入も日本なら職人が適当なものを選んでトラックに積んでもってくるが、こちらは施主が選んできて購入する。ネジ1本からしてそうだ。職人には純粋に工賃しか支払わないケースが多いのも事実。中国の施主はコスト、とくに人件費には極めて敏感だ。そのため、内装業者が丸々内装を請け負う場合、利潤の確保に頭を痛め、悪徳業者は材料費などをけちってトラブルの原因となっている。(夏場にあれば助かる天井のフアン。筆者も中国で始めて使うようになったが、なかなか快適。)

 

 筆者も学生時代に日本の工事現場でアルバイトをしたことがあるが、日本の場合、10時と3時には休憩があり、お昼も1時間ぐらい休みがもらえた。しかし、ここ上海の大工は現場に住み込んでいたため、とにかく朝は7時ぐらいから夜は9時ぐらいまで、それはよく働いていた。話を聞いてみたら、夜の1時ぐらいまで夜なべをすることもあったそうだ。彼らにしてみれば、現場に入ると市場にいって野菜を買いに行く以外、どこにも行かずに現場で黙々と働くのである。時間が金なので、とにかく働くそうだ。この労働力はすさまじい。日本も負けてられないだろう。彼らの唯一の楽しみは、晩酌の黄酒だそうだ。(写真左は我が家の台所。システムキッチンではありません。下の写真はダイニングの様子)

 

中国の面白いところの一つに、とにかくアイデアさえあれば何でも出来なくはないということだと思う。家の内装に関してもそうで、日本からもってきた住宅カタログを大工に見せると、それに似たものをちゃんと作ってくれる。それが我が家の「和室もどき」の部屋となって完成した。掘りこたつなどは大工にしては始めての経験であったようだが、写真を見せると見事にそのようなものを作ってくれた。

(写真は我が家の和室の様子。完全な和室ではありませんが、雰囲気は大切にしました。真ん中にオリジナルの掘りこたつを設置。障子、襖も上海で調達したものです。現在、この部屋は主寝室として使っています。)

 

 水周りはとくにその家に住む主人の生活習慣と大きく関係があるため、慎重にアイデアを練る必要がある。また風呂の習慣などは中国人と異なるため、深いお風呂を探すのにかなり翻弄された。幸い、上海には日系メーカーが沢山進出してきているので、選択肢は多い。やはり結果的には日本で使い慣れているメーカーの製品を上海でも使うことになった。安心感があるのも確かだ。(PSの部分には写真のように「石」を貼り付けました。凹凸が照明に照らされると美しい。この石、1平米15元で売っていました。左は浴室の全体の様子)

お風呂は毎日使う空間なので、その外にもいろいろ考えた。温度調節機能つきのシャワーや浴室内への給湯器用リモコンの設置、また入浴中にCDやラジオを楽しむためにスピーカーを設置するなど、いろいろアイデアを膨らませていった。そして結果的には殆ど実現できたと思っている。やはり日本人として上海でもお風呂の時間を大切にしたいものだ。十分に浸かれるお風呂に入ることも長年の上海生活での願望だった。また水洗トイレもいままで上海で普通に使っていても流れの悪いトイレには沢山遭遇してきた。そのため、便器選びも特に慎重に行った。

 

上海では建材が豊富に手に入る。いいものを選ぶ眼さえあれば、安くていいものを作ることが可能だ。逆に経験がなければ、なかなか大変なのも事実だ。でも専門家じゃなくても素人が創意工夫ができる楽しみがある。それが上海人のマンション内装の個性として現れているのだろう。もし、上海人の友達で、内装で奔走している人に出会ったら、ぜひ励ましてあげて欲しい。本当に大変な作業であるからだ。そんなときに、日本からインテリアの本などをプレゼントしてあげると、間違いなく喜ばれるだろう。(写真は我が家のエントランス)

初めて内装工事をしたこの我が家。苦労をしただけあって、すみずみまで愛着があり、これからも大切に住んで行きたいと思う今日この頃だ。(藤田 康介

 



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