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橋は続くよ、どこまでも・・? 上海新港・洋山港を訪れて
 洋山にある展望台付近
当サイトのビジネス解説で、すでに紹介されている上海新港・洋山港ですが、地理的環境など詳しい概況はそちらにお任せして、ここでは洋山港に筆者が実際に行ってみて、その様子をレポートしてみたいと思います。
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遠くに洋山付近の島々が見える
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2005年12月10日に開港した上海新港・洋山港は、上海で初めての水深15メートルクラスの港として着工され、2005年の上海市のビッグ・プロジェクトの一つです。
南匯区の沖合いに位置する大洋山と小洋で構成される洋山という島に建設されました。島ですから、当然海の真ん中で、そこまで長さ32.5キロの大橋で結ばれています。開港当初、好奇心旺盛な上海人が、自家用車に乗ってこの橋を渡ろうとした人が多く、新聞にも「自家用車では来ないように」と、再三通知を出していました。実際は自家用車通行禁止です。
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地下鉄2号線竜陽路からはこの路線バスで。 途中の停車駅はなく、高速道をひたすら走ります
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その後、地下鉄2号線竜陽路駅から東海大橋の手前にある臨港新城までの直通ノンストップの路線バスが開通し、さらに臨港新城から東海大橋を越えて洋山港までのシャトルバスも運行開始されました。路線バスの本数はまだ1時間〜2時間に1本程度で決して多くありませんが、路線バス開通を聞きつけて、かなりの数の市民が乗り込んでいました。
竜陽路駅から竜東大道を抜けて、あとはひたすら高速道路をバスは飛ばします。途中、多くのコンテナトラックに遭遇、洋山港の開港により、あらたな物流の大動脈が形成されつつあることがよくわかります。ただ、一部トラックが高速料金を嫌がり、地元の一般道路を走っているそうで、取締り強化が叫ばれていました。
バスに揺られること約50分、臨港新城に到着します。運賃は17元。高速料金などを加味すると、かなりお得な料金設定です。臨港新城は、人工の湖を中心に、将来大規模な開発が計画されていて、住宅を含めた街づくりが始まっています。上海海事大学もここに来るようです。
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上海深水港商務中心
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とりあえず今完成しているのが、保税港区の付帯設備となるビジネスセンター(商務中心)。保税港区というのは、中国で初めての取り組みで、洋山港の大きな特徴の一つでもあります。すでにビジネスセンターには大手企業のオフィスが入り始めています。
 (左)洋山保税港区の入り口ゲート。ゲートは自動化されていて、無人 (右)上海深水港商務中心付近には倉庫群が立ち並びつつある
ここから、さらに洋山港へは東海大橋を渡るための片道10元のマイクロバスに乗ります。橋の全長は32.5キロ、所要時間にして30分ほどかかりました。大橋の建設は今回の洋山港プロジェクトでも難工事の一つで、急激な気象の変化に建設作業員たちは泣かされたと聞きます。車窓からみる茶色の海は、荒れており、うねりもありました。
 (左)東海大橋 道路は高速道路並みの設備をもつ (右)ひたすら海の上を走ります
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くねくねと海の上を走る
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今日は風が猛烈に強く、マイクロバスはあおられて左右に揺らされながら、海の上をひたすら走ります。途中、大橋は船の航行のために高度を上げたり下げたりします。まさに竜の背中を走っているような感じでした。
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マイクロバスの終点付近。荒涼 としていて、なにもありません
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マイクロバスは終点の工事事務所エリアに到着。ここで、たくさん降車するのかと思いきや、実は橋を渡るためだけの目的で来ている人が多く、ほとんどの人はそのまま臨港新城へ戻っていってしまいました。降りたのは私と数人の関係者ぐらい。
新聞では、展望台があるとあったので、いったいどこにあるのだろうか、とバスの運転手に聞いたら、なんと山を一つ越えないといけないとのこと。路線バスも走っていないので、まだ時間もあることだし、結局歩いていくことにしました。
とにかく、海の真ん中の島なので、風が強い。台風級の風で、息をするのも大変。というわけで、後ろ向きに歩きながら、山を目指します。洋山港の2期工事がすでにスタートしており、トラックもたくさん走っていました。砂埃がこれまたすごい。風が強いからか、山には木がほとんど生えておらず、島全体が寒々とした岩で形成されています。
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島の中央をぶち抜いたトンネル
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洋山はもともと、小さな漁村で、漁民たちが漁をしながら生活を営んでいたそうです。今では山の真ん中に4本のトンネルがぶち抜かれ、近代的なビルが建ち、漁村の風景は一切見当たりませんでした。こんな海の上のなにもない島で、黙々と工事に励んだ関係者には敬服させられます。
急な上り坂を歩くこと約30分、現代的な建物の管理棟が見えてきました。ここまでくると、眼下に少しずつコンテナ港の壮観な風景が広がります。すでに2期工事の広大な工事現場が眼下に広がり、さらに島の海岸線の様子がよくわかります。
 (左)コンテナ港を見渡せる位置にある管理棟 (右)2期工事が進んでいる
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「姐妹石」
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山を回るように道を歩いていくと、2つの大きな岩が目に入ります。一つは大きな岩で、もう一つの岩はこの岩に寄りかかるように立っています。『姐妹石』と呼ばれ、工事のときにちょっとしたエピソードがあります。
この岩のそばに道路を通す際、どうしてもこの岩周辺を発破しないといけないことになりました。さらに、2つの岩は寄り添っているため、一つの岩が落ちるようなことがあれば、危険です。そこで、同済大学から発破の専門家を呼んできて、岩とその周辺を厳密に調査、さらにこの2つの岩が破壊されないように爆弾量を調節、その結果『姐妹石』はつぶれることなく、道路が通されました。
この岩を通り過ぎると、いよいよ展望台です。展望台には大きな錨が安置され、さらに記念碑が建てられています。この展望台からは洋山一帯が見渡せられました。ここからこのプロジェクトに懸ける上海市の意気込みを感じないわけにはいきません。
砂埃でかすむコンテナ港には、巨大コンテナ船が横付けられ、コンテナの積み下ろし作業がまさに行われていました。上海市の中高校生の試験の時事問題に「洋山精神」という言葉が新出の時事用語として挙げられていました。不屈の精神で、団結して困難な工事を達成させる、といった内容だったと記憶していますが、改めてこの目で洋山港を見てみると、工事のスケールにすっかり驚愕されられてしまいました。
 (左)コンテナ港ではコンテナ船が停泊していた (右)間近でみるとかなり大きい
上海新港・洋山港は世界一のコンテナ取扱量を目指す上海にとって、将来にわたっての戦略的なコンテナ港です。今後の発展を期待しないわけにはいきません。
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ビジネス解説 (会員制)では、洋山港についてさらに詳しい解説を行っています。
『上海新港、洋山港を分析する』の主な内容
・10年の大計
・洋山保税港区−中国で初めての保税港区
・洋山深水港の大きなメリット
・東海大橋
・長江戦略
・これからの洋山、そして上海の世界戦略
(約4,892字)
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