
観光庁溝畑長官と政府観光局間宮理事長のテープカット
昨年は日本への外国人旅行者が軒並み減少した中で、唯一増加した中国人観光客。今後の行方について、日本の各自治体から熱い視線を注がれている。このような中、上海万博「VISIT JAPAN FESTIVAL」に、観光庁長官自らがオープニングセレモニーに出席し、記者会見を開いた。
また同日午後、銀聯ビルにて銀聯カードと共同記者会見を行い、2011年2月までに銀聯が企画する「日本旅行カード」を支援することについて覚書を交わしたことを明らかにした。
◆「ビザの緩和は進むのか」日本側メディアの関心が集中
7月1日に中国人個人旅行者に対するビザ発給要件が緩和されたが、果たしてこれが中国人観光客の急増につながるのか。日本側メディアの関心はこの点に集中した。長官によれば、昨年日本を訪れた中国人の数は101万人、今年1月~6月までの5ヶ月間ですでに60万人に達しているとのこと、このたびのビザ発給要件緩和政策以降、一日のビザ処理件数は倍増ており、今年末までに来日中国人150万、あるいは180万人という数字も達成できるのではないかとみている。しかしこの数にはビジネス目的や親戚訪問も含まれており、観光庁が目標とする来日中国人の数は2013年に390万、2016年には600万。はたして現在の状況で、目玉となる観光客の数は順調に増大し、目標を達成できるのか。さらなる条件緩和が必要ではないか。記者からは今後のいっそうの緩和について質問が飛んだが、長官は現在設けられている年収制限の解除やマルチビザ発給などに対して、今後外務省を含む関係各機関と調整しつつ検討していくと述べるにとどまった。
◆中国メディアの反応は?
ビザ発給要件についての踏み込んだ質問は中国メディアからは発せられず、主に今後の受け入れ態勢についての質問があった。長官は今後ビザ手続きを含めて、中国語表示の拡充、通訳の配置など各方面で体制を整えていくこと、そして銀聯カード利用について整備していくことを強調。メディアの反応は日中で若干の温度差があるように感じた。
◆中国銀聯が発行する「日本旅行カード」とは
16日午後には銀聯ビルにおいて、日本国土交通省官公庁長官と中国銀聯株式有限会社による「日本旅行カード」覚書についての共同記者会見が行われた。
2011年2月3日までに中国銀聯は主にゴールドカード会員をターゲットとした「日本旅行カード」を企画、日本での買い物をより便利にし、会員サービスを図る。官公庁は加盟店の拡大を図り、「日本旅行カード」の宣伝・広告に協力する、以上の発表があった。一つの国や地域にターゲットを絞ったカードは香港や台湾向けで発行したことがあるとのことだが、海外向けとしては初めて。

日本ではすでに6万台のATM機で銀聯カードの利用が可能、加盟店は2万店に上るという。2008年までは1万店舗程度だったものが2009年に一気に倍増した。これをさらに拡大することで、日本側では中国人観光客の購買意欲を誘い、中国側では会員サービスと加盟店拡大を図る。
昨年日本での銀聯カード利用額は22.5億人民元に上り、今年は50億人民元を予想している。
これまでは主にデューティーフリーや電器店など団体客が好む店舗を中心に加盟店を増やしてきたが、7月1日のビザ発給要件緩和を受けて、個人で行く店舗の加盟店を増やしていくことを目指す。
◆果たして?
発給要件が大幅に緩和されたとはいえ、まだまだ一般市民にとっては「高い旅行である」日本旅行。そのわけは、ビザ申請の最初の窓口となる旅行社が、ビザ申請にかかる費用として1000元~1500元と非常に高く設定していること(大使館や領事館等で徴収する査証手数料は200元)。保証金を求められることがあること。また、年収さえ達していればビザがおりる、というのではなく、「社会的信用」など様々な条件を加味したうえでの発給。私たち日本人がふと思い立って海外旅行に行くのと同じではない。「『自由』旅行」への道はまだまだ遠いのだろうか?
(中国語サイト 易播楽での報道はこちら)
(JNTO上海 鈴木所長への単独インタビュー記事はこちら)
(2010年7月記)