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ハルビン氷祭りの3つの会場の中で、最も大きくメインの会場として扱われているのが
この「氷雪大世界〔bing1xue3da4shi4jie4〕」である。
市街地から見て松花江の北岸に位置する会場で行われ、広大な中州のような場所で行われる。
太陽島の公園とは間に水族館であるハルビン極地館を挟んで松花江沿いに並ぶような位置関係にある。
ホテルからなんと送迎無料ツアー!だが・・
この日取材時に泊まったホテルで、そこでチケットを買えば会場まで無料送迎しますと言われた。
こちらは日中からの取材を予定していたので、チケットだけ買うから自力で行っても良いかとの質問をしたところ
昼間はつまらないから止めたほうがいいと言われた。
チケット価格を聞けば200元と正規料金であり、料金が変わらず送迎が付くならばということで、昼間の取材は断念して夕方まで待ってホテルの企画に乗ることにした。
ハルビンのタクシーはそれほど危ないことはないし片道20元もかからない距離だが、個人で行動すれば観光客目当てのタクシーに寄り付かれることはわかっており、やはり雲助がいる可能性も捨てきれず不安は残る。故にこういった企画は旅行者にとっては非常にありがたい。
どうやらこのホテルに限らず、ハルビン市内の多くのホテルには旅行業者が入り込んで送迎付ツアーが実施されているようである。ただ、ホテルでは「チケット(門票)」といっていたが実際は団体の扱いで入場することになり、一人一人への入場券の手渡しはない。
つまり正規料金と団体料金の差がホテルと旅行業者の儲けとなっているのだが、まあ客側からすると値段が変わらず送迎が付きWINWINの企画となっているので不満は出ない。
と、一見良いこと尽くめの企画のように思えるが、実は氷雪大世界の月曜から木曜までの入場料は90元となっており、200元という価格は週末の午後だけ特別の設定なのだ。週末も13時30分までの入場なら90元となっている。
つまりこの差額は業者の儲けシロために増やしてあるのである。ホテルがこちらの昼間の観光を止めさせた理由がここにあった。
会場へ向かって出発
このツアーの集合時間は17時半であった。日がすっかり沈み十分暗くなっている時間帯である。北国の冬の日没はかなり早い。
玄関ロビーに呼び出されて15人ほどが一緒にマイクロバスで会場に向かった。
ガイドらしき人が車内での会場内の注意時事項や帰りの集合時間などを説明していたが、説明は当然中国語で日本語どころか英語の説明もない。辛うじて集合時間と戻るべき車のナンバーを聞き取ったが、中国語ができない人にとってはこのツアーはちょっと大変そうである。頼りの筆談も極寒の中では大変であろう。
途中の車の中から見える町の風景は、街灯からガード柵までそのほとんどが電飾で飾られていた。これだけ街が綺麗ならばわざわざ高い入場料を払ってまで会場に行く必要がないのではないか、そんな気までしてくる。
しかし、すぐにそれが気鬱であったことを思い知らされることになる。
その兆候は松花江の橋を渡る前から見え始めていた。川向こうに巨大パチンコ店のような電飾ギラギラの場所が見えてきたのである。派手なホテルだなぁと思っていたら実はそこが今回の「氷雪大世界」であった。
そのくらい真っ暗な中に忽然と存在するハルビン氷祭りの氷雪大世界である。
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| 入場ゲート前広場 |
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こちらが入場ゲート |
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| こちらはスキー場への入り口 |
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人工スキー場が併設されている。 |
入場口から電飾の埋め込まれた氷の壁が立ちはだかる。「祭り」とは言え、ここまで派手にコテコテに作られてしまうと感動を通り越してちょっとあきれてしまう。
隣には人工のスキー場もあり入り口を間違えやすいが、ゲートの有無ですぐわかる。
観光客目当ての業者たちがいっぱい さて、いよいよ入場である。
ここまで連れて来てくれた旅行社の人はゲートの入り口までで、参観者のみがゲートを抜ける。
そしてゲートを潜ったとたん、写真業者が群がってくる。記念に写真を撮ってあげますよと言い寄ってくる。こんな業者は主催者のほうで規制しないのかと思うが、どうやら逆に公認されているようで、全ては地元の利益のためといった感じだ。
中にはテレビ局なみの大きなビデオカメラを担いで、会場内でビデオ撮影を行ってくれる業者も存在する。
まあ、一般の観光地では馬鹿高く感じられるこれらの料金であるが、この寒冷地の条件下だと兆麟公園での記事でも書いたようにカメラの稼動に不安があるので、確実に撮影してくれる業者に数枚くらいの記念写真を託すのは決して悪くない選択のような気もする。 さらに会場内をぐるっと回ってくれる観光馬ぞりも待機しており、優雅な気分でまずは全体を見てみるというのも一興であろう。
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| 会場公認の撮影業者たち |
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馬ぞり用の馬、寒くないのか? |
世界中の建物が集まっている。
ところで「氷雪大世界」という名前はいわゆる「銀世界」的意味合いと、世界中の特徴ある建物を氷雪で再現したという意味の両方を持っているようだ。
故に入場ゲート前の広場の周囲にはポールが何本も立っており各国の国旗が掲揚されている。もちろん日本の旗も掲げてあり、つまり日本の何らかの建物も氷像で展示されているということである。
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| 各国の国旗がポールに並ぶ |
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一番左側に日本の旗が |
氷雪大世界の会場内に入った直後の印象はとにかく派手で、広い!
入場ゲートの正面には西安の兵馬俑を模した氷像が立っており入場客を出迎えている。さらにその隣にはスフィンクスがあって、いわゆる「世界」というイメージを連想させるのにわかり易いオブジェが真っ先に揃えられていることがわかる。 その中に案の定、日本をイメージしたお城の氷像もあった。姫路城あたりの天守閣を模したもののようだが、どこの城かという具体的な説明はなく、ただ日本のお城の天守閣とだけ記されていた。
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| 秦朝大殿と記され恐らく西安の礼拝大殿のこと |
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兵馬俑の隊列 |
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| エジプトのスフィンクス |
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日本の天守閣、見事である。 |
写真が一番のお土産
会場内はさすが大世界と言うだけあって、イルミネーションの組み込まれた巨大な建築物がたくさんあり、眩しいくらいの光を放っていた。またイルミネーションの施してある樹木のように見えるものは、実は多くが人工で造られているもので、夜景の中で見分けるのは難しいがよく見るとわかる。 入場している観光客のそのほとんどが大小問わずカメラを首から下げており、この氷雪大世界の最大のお土産である景色をバシャバシャ写真に収めていた。
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| 会場のシンボル的な夢幻城 |
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蘭州の白塔山を模したものらしい |
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| 丘の上からの眺めは壮観 |
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イルミネーション用の人工樹木 |
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| 蓮花生大士の仏像 |
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仏像に線香を捧げることができる。 |
ゲートから見て左側の小高く盛り上がった丘の上には仏像の雪像が置かれており、線香をささげて拝めるようにもなっていた。
また氷の滑り台などは、冬のお祭りのお決まりアイテムとして会場のあちらこちらに設置されており、距離の短いものは無料でできる。しかしやはり人気は距離の長いもので100m以上を滑っていくものである。しかもこの寒い中にも拘らず長い行列ができており、何分かかるかも分からない順番待ちの行列に並んでいた。みなさん観光客はとても元気である。
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| 滑り台待ちの行列 |
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かなり長い距離の氷の滑り台 |
ハルビンビールが世界のビールへ
ところでハルビンで有名なものといえばハルビンビールである。当然この地の主要産業となっており、この会場のスポンサーとしても参加している。
どうやらハルビンビールは今年行われるサッカーのFIFAワールドカップ南アフリカ大会の公式ビールとして認定されているようで優勝トロフィーを模した雪像もあった。
アフリカで行われる大会なのに中国のビールが選ばれているという事実が今の中国の経済の勢い感じさせてくれる。ハルビンビールもいよいよ世界のビールの仲間入りのようである。
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| ハルビンビールの氷像 |
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サッカーW杯の優勝トロフィー |
この氷雪大世界にも熱飲屋が存在する。ネッスルやコカコーラなどの飲料メーカーの提供するものや、市内のホテルが提供する山小屋風の熱飲屋があった。モンゴルの遊牧民の家のパオを模したものも存在したが中のサービスはどこも同じである。私はコカコーラ社の熱飲屋で休憩したのだがコーヒーは16元で、まあちょっと高めだが観光地価格というところを考えれば妥当な線であろう。オイルヒーターに寄り添い冷えた体を温めるのはやはり気持ちよい。
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| モンゴルのパオ式熱飲屋 |
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熱飲屋の内部 |
派手なダンスショーも
会場内には雪像・氷像のほか。ロシア人ダンサーらしき女性が派手な衣装を身にまとってショーを見せるキャバレーのような劇場や、動物が演技をするサーカスのテントがあり、まさに全体として氷雪の遊園地としてのエンターティメントが集められている。 コロセウムを模した氷の建物の中を覗くとなんと書展が行なわれていた。こんなところがまさに中国らしい一面でもある。
| ダンス劇場の外観 |
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こんな派手なショーが行われるらしい |
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| 外観はイタリアのコロセウムだが→ |
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内部は書展の会場として使われていた。 |
氷雪大世界は会場の大きさから言って、見学や写真撮影だけなら2~3時間くらいでぐるっと回れる広さで、実際今回の取材も2時間くらいで終えられたのだが、滑り台やスケートなどの遊戯施設にハマってしまえば、一日中遊び続けることもできる。厳冬の北国の中に存在感を示す巨大な遊園地、それが氷雪大世界である。
次回は番外編 中央大街とスターリン広場の周辺の様子をお伝えします。
(2010年1月記)
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