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■F1  SHANGHAI  STATION■

 

~上海F1GPの概況~

 

  

2004924日から926日まで上海でF1グランプリ中国が始まる。世界中で市の中心部に最も近いサーキット場として、また将来は電車によるアクセスが可能という立地条件のもと、さらにいま世界中が注目している中国の上海で行われるということで、見逃すことができないことが多い。今回はその背景を見てみよう。

 

1.            上海の車産業基地、嘉定区安亭

(新天地にて B・A・R ホンダチーム)

 上海国際サーキットが建設された嘉定区は、「江南名城」と呼ばれるほど、歴史ある街だ。南宋の嘉定十年(1218年)に作られた街なので、その年号から嘉定と呼ばれた。その後、1992年に嘉定県から上海市嘉定区になる。嘉定区の面積は463平方キロメートル、人口は100万人ほどだが、昔から文化人や政治家を多く輩出した街でもある。近くにはショーロンポーのふるさと、南翔があり、こちらも歴史のある街で、古猗園などはぜひ一度訪れてみたい。

 中国で初めての高速道路、滬嘉高速道路が嘉定区と上海の市中心部を結ぶ。上海国際サーキットは自動車生産基地として名高い嘉定区安亭にある。この嘉定区安亭では、中国で初めての自動車、「上海」が登場し、そして今ではすっかりおなじみになったサンタナがはじめて生産された。嘉定区安亭は1950年代から上海市の衛星都市として、工業基地の地位を確立する。中国政府や上海市が管轄する国営の大規模企業がこの地に設立され、現在では自動車関連の企業を中心に150以上の企業が進出している。

 嘉定区安亭は地形的にも比較的恵まれているといえる。大動脈である滬寧高速道路、国道312号線をはじめ、鉄道では中国の「東海道線」ともいえる滬寧線が貫いている。さらに華東電力ネットワークから、電力線が安亭を横切り、工業地区に豊富な電力を供給している。さらに長江デルタ地帯において、嘉定区は車で2時間の範囲に上海、南京、無錫、蘇州、南通、揚州、鎮江、常州など15の大都市に囲まれており、これらの総人口は8000万人で中国全国の国民総生産の156%を占める。

この嘉定区安亭の自動車産業の中核をなすのが上海VWだ。今回のF1の誘致にも積極的に関わっており、すでに総額8000万元以上におよぶ広告スポンサーになっている。上海VWがこの安亭に設立されたのが1985年で、今では286万平方メートルの工場には1万人以上の従業員が働く。そして、2001年に上海市政府によって、嘉定区安亭に総面積62平方キロメートルの上海国際汽車城(http://www.shautocity.com/)を建設するプロジェクトが始動する。ここでは上海VWを中心に、付近には自動車部品などを生産する工場地区をつくり、国内最大の部品生産基地を目指すほか、自動車の貿易区、自動車文化・スポーツセンター、自動車博覧館などが整備されていく。今回の上海国際サーキットはこのプロジェクトの一環となっている。またこの上海国際汽車城に働く人々を支援するために、計画人口8万人の住宅開発も行われている。VW関連のドイツ人居住者が多いという地域の特色から、ドイツの街並みをイメージした4平方キロメートル規模の住宅地の計画もある。将来を見越して、すでに嘉定区では住宅価格の上昇が始まっており、マンション価格も去年の1平米3000-3500元から、今年に入って4000元-4500元と1000元程度の値上がりとなっているほか、上記のドイツ風住宅地では1平米あたり10000元に届きそうな値段がついているところもある。まさに「安亭老鎮」から「安亭新鎮」へ大きな変革をしようとしている。

 

 

(淮海路にて、ジャガーチーム)

F1で休みの日が変わった?! 

 実は毎年この時期は国慶節休みの振り替え「仕事日」で、国慶節連休直前の週末は仕事をしないといけない。ところが今年はF1が開催されるために、国慶節休みの振り替え「仕事日」が国慶節明けの週末に変更された。F1に少しでも多くの人が観戦できるようにという配慮だ。これにより、仕事をしながらF1観戦という事態は防がれたが、市政府の臨機応変な対策には感心する。

 

国慶節休みはサーキットの見学も可能に

 巷では盛り上がっていても、なかなか一般市民にはなじみのないF1だが、少しでも市民に触れてもらおうと、101日の国慶節の連休から2週間の期限付きで嘉定区安亭の国際汽車城を中心にした観光コースが設定される。コースは上海国際サーキット・古杏樹公園・嘉定孔子廟・同済汽車(自動車)学院・自動車貿易区歩行者天国など安亭の新しい開発区を巡る。上海の旅行社や上海体育場にある旅遊集散センターなどでチケットが購入できる。

 

2.        上海国際サーキットについて

 

 上海国際サーキットデータ

総投資額(一期):約26億人民元

設計観客数:20万人

主要建築面積:15万平方メートル

コース全長:5451.24m

コース周回数:56周(FIA認定)

レース距離:305.269km(FIA認定)

設計最高速度:時速327km

平均時速:時速205㎞

コース最大高低差:12m

一周走行時間:約1分34秒

嘉定区安亭鎮の東北部に位置する上海国際サーキット、中国語では「上海国際賽場」と表記する。上海市の中心部からは約30キロ、虹橋空港からだと20キロほどなので、車があればかなり交通アクセスはよい。2007年に電車が開通する予定。

 20022月に上海国際賽車有限公司が設立され、20021017日より工事が始まった。設計を担当したのは、ドイツのTILKEで、これまでに世界に数々のサーキットの設計を行っている。上海側は、今回の設計にあたって、中国文化の特色を出すように要求したという。それがコースの形にも表現されていて、上空からみると「上」の形をしているのがよくわかる。この「上」には、上海で開催されるという意味もあるが、さらに「勢いに乗って上昇する」というような縁起も担いでいるところが中国らしい。

 観客席となるスタンドにもさまざまな意匠が凝らしてある。全長400メートルに及ぶグランドスタンドを覆いかぶさるように「門」の字の形に巨大建築物が左右2箇所で被さる。これは両側に獅子が門を守っているイメージで、2本の赤い円筒形の建築物は中国式宮廷の柱をイメージしている。さらにスタンド上部の明かり窓は、中国の灯篭をモデルにしている。建築物によく使われている赤色と黄色は幸福とパワーを象徴し、あくまでも中国の伝統文化にこだわった設計になっている。さらにサイドスタンドは、26枚の蓮の葉をイメージした屋根がついている。

 

 

レース期間中に缶詰状態の関係者 

 レース開催中の3日間は、チーム関係者はすべてサーキット中央部の生活区のなかで生活することになる。生活区には池をめぐらせてあり、豫園をモチーフに設計されている。サーキット内にある空中レストランは眺望がよく、この生活区が見えるため、チームやレーサーの様子がよく観察できる。

万が一に備える華山医院 

 安全に十分配慮しても避けられないF1の事故。今回の上海のF1では市内の華山病院の医療スタッフが万一に備えて待機している。すでにヘリコプターをつかって、華山病院屋上のヘリポートへ負傷者を搬送する訓練も繰り返し行われているほか、FIAの医療専門家によるスタッフの研修も行われた。


3.  2004923日から26日に行われる主な行事                                 (現地で報道されたもの。多少の変更の可能性があります。)

2004923日(木) 午後2時よりセーフティーカーによるコースの確認が行われる。セーフティーカーによる確認は、この日の1時間だけ。午後3時より第1回目の記者会見が行われ、各チームのドライバーや関係者が登場する。 

2004924日(金) この日から、F1がコースを走り出す。朝8時には、貴賓たちがピットなどの見学をしたあと、練習が始まる。とくに11時以降からは20台以上のF11時間にわたって走り出す。午後2時から再び1時間にわたって2回目の練習がはじまる。 

2004925日(土) 9時から3回目、4回目の練習が行われる。午後1時よりPre-QualQualifyingが行われる。 

2004926日(日) いよいよクライマックスを迎える。開会式のイベントもこの日に行われる見込み。黄豆豆による武術演舞や香港のスター郭富城などが登場するようだ。午前9時半よりVWPoloレースなどが行われた後、午前1115F1のドライバーが続々お目見えする。午後1245ごろから国旗掲揚や国家演奏の式が行われ、午後200F1  SHANGHAI  STATION のコースで56周にわたるレースが始まる。  

 

4.  交通アクセス

 まだ定期的に上海国際サーキットを結ぶバス路線がないため、924日から26日かけては臨時のシャトルバスを利用することになる。ただバス乗車のためのチケットの発売は920日で締め切られるようだが、詳細は各旅行会社などと問い合わせる必要がある。1号線は浦東源深体育センター(所要時間は約100分)、2号線は上海体育場、3号線は虹口サッカースタジアム(所要時間は約65分)、4号線は上海国際体育センターから出発する。料金は往復で40元で要予約。今回の観客輸送のために、3025台のバスが投入され、着席制なので座席の心配はない。さらにバス運送中にバスが故障した場合に備えて、沿線には予備のバスを待機させるほか、バスの運転手にも携帯電話を持たせて的確な運送が行えるように備える。

 なお、F1サーキット周辺の駐車場のチケットは完売しているため、もしチケットを持たないで自家用車でサーキットへ行った場合、交通規制のためにサーキットの敷地内に入ることができなiい。その場合は会場まで1時間近く歩く必要がある。  

 


 F1公式認定グッズは市内でも買える 

 上海市内の徐家匯にある東方商厦ではF1各チームのグッズが販売されている。そのほか移動式の販売店舗が街角に登場することもある。F1期間中は約5.5万人の外国人が上海に来るため、上海市内のホテルの予約は高額で、かなり難しくなっている。そのため、上海から車で1時間程度でいける蘇州や2時間程度でいける杭州のホテルを利用するのも一つの方法かもしれない。

 


(山之内 淳・中医ドットコム




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