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| 5星ホテルになりました |
上海の外灘の夜景を最も綺麗に見られるホテルといえば、この上海大厦を外すことができない。2008年12月にこれまでの4星から5星ホテルに昇進した。上海大厦といえば、その名をかつてBROADWAY MANSIONS HOTEL(中国語:百老匯大厦)と呼んだ。その当時、Sasson大厦と呼ばれたいまの和平飯店、中国銀行大楼とあわせて外灘エリアを代表する3つのビルの一つだった。今では金茂大厦や環球金融センターのように外灘を見渡せる高層建築物が林立する上海だが、どうも目線が高すぎる嫌いがある。ある意味上海大厦から眺める外灘の夜景は最高のポジションなのかもしれない。
●もともとは高級アパートメント
BROADWAY MANSIONS HOTELは1930年から工事が始まった。イギリス系の不動産会社が銀500万両を投資して建設し、完成したのは4年後の1934年となっている。設計はイギリス人建築家Bright Fraser. そもそも4年もの時間がかかったのも、蘇州河のほとりという軟弱地盤に、杭打ちの難易度が高かったのだという。敷地面積5225平方メートル、建築面積24596平方メートル。鉄骨構造でその当時の建築現場の様子は、上海大厦ロビー左手の壁に写真として展示されている。ぜひ覗いてみたい。
完成後は、上海に長期滞在する西洋人のいわゆる高級サービス式アパートメントのような位置づけだった。その当時、極東エリアで最大のガレージを備え、80台の車を収容できた。また、消防用のスプリンクラーやボイラー、暖房設備なども完備し、設備はかなり先進的であった。今はレストランとなっている最上階18階には、特別室が設置され、外灘の風景を十分に楽しめる広いバルコニーを思いのまま使えた。そのほか、日本式やアラビア式の部屋もあり、十分に世界各国からの貴賓たちのニーズに対応できたという。
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| 客室は広めで、リニューアルされて気持ちいい。外灘の夜景が見渡せる部屋がおすすめ! |
ただ、竣工後3年で日中戦争が勃発する。ここには日本軍憲兵隊が入り、暗黒の歴史へと突入する。もともと住んでいた西洋人たちは、次々とBROADWAY MANSIONS HOTELを後にした。
もちろん、実際にここで生まれ育った日本人も少なくなく、今でも毎年、上海大厦で生まれた人たちがツアーで訪れるのだという。残念ながら、その当時を知る世代も高齢化し、数はだんだん減ってきているようだが、それでも心の中に上海大厦での思い出がつまっていることだろう。
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| 上海大厦全景 |
ホテルから蘇州河を望む |
日中戦争終了後、国民党が接収することになる。1949年5月に上海が解放されたが、ここが最後の砦となった話は1960年に『戦上海』として映画化され、国民党の旗が外されるシーンは非常に有名である。1951年5月1日、BROADWAY MANSIONS HOTELは上海市人民政府の管理下となり、「上海大厦」と改称された。1970年代、フランスのジョルジュ・ポンピドゥー大統領が、周恩来総理とともに上海大厦を訪れるなど、数多くの有名人がやってきている。あの小泉純一郎前首相もここに来ており、その名前が銘板に刻まれていた。多くの上海市民にとって、その当時はなかなか外灘の全景をみる場所がなかった。ここにきて初めて外灘をみて、外灘がこんなに美しい風景だったのか!と感動した話がたくさん残っている。
こう見てみると、上海大厦は日本人にとってもいろいろ関係が深い建物であったといえよう。
この上海大厦の特徴は、なんといっても扇形に展開する形状の建物だろう。非常に独特な形をしているが、上から見るとYの字を横にして2つくっつけたような形状(>-<〉をしている。これにより、各部屋に太陽の光が入ってくるように工夫されている。外壁は極めてシンプルだが、それでも所々に意匠を凝らしてあり、じっくり見ると様々な表情がある。外壁の下部は花崗岩が使われている一方、上部には泰山タイルを使っており、仕上がりはかなり重厚感がある。

重厚感のある外壁には歴史を感じる
●ホテルのお宝
このホテルには、いくつかのお宝がある。その一つが、70年間使われてきたオリジナルのままのOTIS製エレベーター。今でも現役で動いている。さすがに世界的にも珍しいようで、メーカ側も見学に訪れるそうだ。エレベーターの入り口がアコーディオン式というのも味があるし、各階の到着を示す表示が、半円形の文字盤というのもいい。
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70年の歴史をもつエレベーターのじゃばら |
エレベーターの文字盤に歴史を感じる
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そして、ホテルのロビーに置かれている今はなきドイツ老舗メーカー「Rachals(ラハール)」製のピアノ。ドイツ・ハンブルクにあったM.F.Rachalsピアノ店が開業100年目となる1932年時に、上海のこのホテルのために製造したものだ。
その後、海・陸を通って、はるばる3ヶ月かけて上海のBROADWAY MANSIONS HOTELまで輸送された逸品でもある。その後、上海大厦となる現在まで、演奏できる状態で大切に保存されている。このピアノはホテルのロビーに入って右側に置かれている。ぜひ見てみたい。
また、外灘の夜景をほしいままにできる最上階(17階~18階)のレストランもかなりおすすめだ。今でこそ、上海には高級レストランがあふれているが、上海大厦のレストランは1950年代の上海でもかなり有名だった。その当時、錦江飯店・衡山賓館・国際飯店・和平飯店・浦江飯店は上海の6大ホテルといわれ、レストランの料理も名高かった。もちろん、ここのバルコニーからみる上海の夜景は、今でも変わらない。黄浦江を挟んだ向こう側には、東方明珠テレビタワーや環球金融センターの雄姿を望むことができる。
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高級レストラン
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BROADWAY MANSIONS HOTELの様々な備品が 展示されている。 |
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1階にあるパーティーなどもできるバー |
バーにあるビリヤード台 |
ロビー裏手に位置するバーもおすすめ。BROADWAY MANSIONS HOTEL時代に使われたビリヤード台や、その当時の様々な備品も展示されていて、往年の高級ホテルを彷彿させる。
上海大厦は激動の上海の歴史を感じるのにはふさわしいホテルかもしれない。なお、ホテルの前にかかる外白渡橋は2009年2月より復活する。
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外白渡橋の修復現場
(2009年1月現在) |
修復前の外白渡橋(2008年2月)
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◎住所:
上海北蘇州路 20号 【 地図 】
◎交通:
地下鉄2号線南京東路駅徒歩15~20分
路線バス:135番、37番、33番、65番、145番
「上海大厦」の宿泊の予約はこちら
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(2009年2月記 山之内 淳)
上海の観光地「外灘・バンド」
上海のオールドホテルを巡る
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