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中国茶道体験記(茶園小築の中国茶道講座)その7

『プーアール茶』で、食欲の秋も怖くない。

上海もすっかり秋めいてきましたね。文文にとってはやはり「食欲の秋」なんですよねえ・・。
 さて「食欲の秋」にふさわしいお茶をご紹介しましょう。香港の方が、飲茶を食べるときに飲むのがプーアール茶。プーアール茶は、油分を流す作用があります。お口もさっぱり。そういえば、上海の某有名飲茶チェーン店でサービスされるのも『プーアール茶』ですよね?

 プーアール茶は後発酵のお茶です。分類は『黒』。紅茶と同じく、発酵度の高いお茶は胃にもやさしく身体を温める作用があります。また油を流す・血圧を下げる作用もあります。ほとんどのものは、微生物を作用させて製造し、茶葉がバラバラの「散茶」と運びやすく固めた緊圧茶がありワインと同じく上質茶葉を発酵させたものは、年代を経るほどに味がまろやかになり、ビンテージものとして価値も高まります。

さあ、今回はプーアール茶の入門編として『小沱茶』(主な産地:雲南省・四川省重慶)の入れ方を教えて頂きました。すっかりお馴染みの『紫砂壺』を使っていれてみましょう。この中国の伝統的な『紫砂壺』は独特の製法で作られた陶器で、その特性は発酵の進んだお茶を入れるときに抜群の威力を発揮するのです。
プーアール茶の一種『小沱(トウ)茶』は最初このように一回分ずつお碗方に成形されとても便利。

使うときは、このように白い包み紙をはがします。(名刺と大きさを比べて見てください。)


@ 準備が整った所で『洗杯』から始めましょう。 まず紫砂壺に熱いお湯を入れて暖めます。 紫砂壺(急須)→過濾網(茶こし)を茶海(ちゃかい)にのせて→茶海→飲杯へと 同じ湯で順に清めて温めていきます。

A 次は『洗茶』です。 中が温まった紫砂壺(急須)の中に、『小沱茶』をT粒入れます。 →さきほどの飲杯のお湯も捨てずに紫砂壺の上からかけて茶葉を蒸らしましょう。 →紫砂壺にお湯をそそぎます。 固まった茶葉を開かせる為、お湯はいきよいよく。温度は100℃ →茶海(ちゃかい)→飲杯といつもの順番にて。


B いよいよ第1せん目のお茶です。 急須に100℃のお湯を注ぎます。
→急須の上からもお湯をかけましょう。
C茶海→飲杯と移して茶托にのせてハイ!できあがり。

プーアール茶の入れ方の最大のポイントは『洗茶』です。 なるほど・・・文文が想像していた『独特のかび臭い味』とは縁なしです。 老師(中国語で先生の意味)曰く、乾燥させた菊の花やバラ科のハナマスの花をプラスすると体にも良いし、おシャレなお味になるそうです。(効用:菊は目の疲れに、バラは美容に効果的)。    
今の季節にピッタリの手描きの菊のセット 色々な紫砂壺たち
中国では旧暦の9月9日(今年は10月14日)は重陽の節句。最大の陽の数である『9』が重なるおめでたい日です。文文が所属する華道嵯峨御流でも、この中国からの伝わった節会(せちえ)には、白・黄・紅の菊を活け愛で楽しみます。 この季節上海では、菊を愛でながら上海蟹を食べるのが最高に幸せだとか。 焼き物の街 中国『宜興(ギコウ)』で作られています。 保温性に富み、高い温度で入れるお茶に適しています。 香りが茶壷に移りやすいので、できれば一つの茶壷で1つの種類のお茶専用にして 使うといいですね。紫砂壺の表面には、見た目にはわからないですが非常に非常に細かい穴(人間で言う毛穴でしょうか?)があいているので洗剤で洗ってはダメですよー。   

 

お茶教室:茶園小築(虹橋路1778号A05、古北花市場内、虹古歩行街の花市場ではありません。)

プロフィール:上海在住の日本人太太(奥さん)にセンスがいいものがそろうと定評のお茶屋さん。経営者の李娜(リナ)さんは、お茶屋を経営する傍ら国内外で茶芸文化の普及に尽くしている。特に2002年4月からは日本各地のデパートを回って中国茶道を紹介している。        電話 62629066



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