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文文の中国茶道体験記54

 

写真:冬のお勧め調合茶『陽楽茶』 文泰さん考案

                   習字協力:彩美さん

中国茶 15銘茶 

 

忙しい年末年始は、香り高い中国茶でほっと一息リラックス!

中国には15の銘茶があります。銘茶の条件は、見た目・味・香りとも優秀な茶葉でありブランド力のあること、取引の値も高い事はもちろんですが、かつて歴史上献上茶であった事が最大の要素となります。

昔献上茶であったという条件をクリアーする銘柄は、現在も中国で一番親しみ愛されている緑茶がダントツに多いですね。今回はこの15の銘茶をご紹介致しましょう。

 

 

    茶  名                 説    明

1

西湖龍井(緑茶)

XiHuLongJing

中国三大緑茶のひとつ

浙江省杭州産 龍井茶と虎Pao(足+包)泉は杭州西湖の双絶とよばれ尊ばれている。清代康熙帝が杭州に行宮を創設、乾隆帝が下江南した時に龍井茶を品茶し、たいそう感動して献上茶に命じたといういわれがある。そして現在でも中国国茶としての不動の地位を持つ。茶葉は釜で炒めるように10の動作で押し付けるように乾燥させるため、できた茶葉は扁平である。

龍井茶は獅峰龍井・梅龍井・西湖龍井が超スーパーブランドといえる。価格も非常に高い。それぞれ特徴があり西湖龍井の茶葉は緑の中に少し黄味がかっており栗の香りがする。清明節(4月5日)前に摘まれるお茶は明前茶と呼ばれ価値が高い。

2

黄山毛峰(緑茶)

HuanugShanMaoFeng

中国三大緑茶のひとつ

安徽省産 中国東部の高山峰海抜700-800mの高山で作られる。最後、Hong干の方法で乾燥させる。

1芽1葉で摘み、鮮度が命のこの茶は、午前に摘んだものは午後製造、午後摘んだものはその日の夜のうちに製造するとうい厳しい時間の要求がある。

3

洞庭碧螺春(緑茶)

DongTingBiLuoChun

中国三大緑茶のひとつ

江蘇省太湖洞庭山でつくられる。東山と西山に別れ、東山で作られる方が特に尊ばれている。太湖の水を多く含んだ湿度の高い空気と、温和な気候が戻る甘さのある良いお茶をつくりあげる。

また、茶樹は桃・李(すもも)・杏・梅・柿・石榴・みかん・枇杷など果物の交木と屏風のように交差したり、また取り囲むように植えられている。そのため、自然に茶に果物や花の甘い香りを吸い取っている。

できた茶葉は田螺のように丸まっている。色は碧色。白い産毛で覆われている。最後Hong干という方法で乾燥させる。

4

太平猴魁(緑茶)

TaiPingHouHui

パリ万博で金賞を受賞した事があるお茶。黄山の北側の大平湖畔の海拔800メートルの高地で作られ、暖かくなるのは他の緑茶の産地より少し遅いため穀雨前に摘まれる。

一芯二葉摘みのしっかり生育した茶葉を摘み、強い揉捻をしないので、茶葉は大きなまま。普通の緑茶よりかなり大きめなのが特徴。また、黄緑色の細長く尖った形をしていおり、茶葉の先に焼印がつけられている。茶葉に厚みがありうっすらと紅線の入ったものが好い。

5

顧渚紫筍(緑茶)

GuZhuZiSun

浙江省湖洲長興顧渚山一帯で生産されている。以前は紫筍茶と呼ばれていたが、「顧渚山」で生産するため「顧渚紫笋(こしょしじゅん)」とも呼ばれている。

 茶聖『陸羽』がこの地で茶を研究し、良い茶ができたので皇帝に勧めたといわれるのがこの紫筍茶。陸羽の著書『茶経』の中で芽は『紫者上、筍者上』と記していることより、この茶を『紫筍茶』と名づけたという説と、生の茶葉の芽が紫色がかっている、芽の部分が筍(たけのこ)のように少し湾曲した形であることからこの名前がついたと言う説がある。

 当時、献上茶を生産するにあたり、皇帝に献上するために作る茶園『貢茶院』を設立。清明節までに長安の都に届けられたという。

6

信陽毛尖(緑茶)

XinYangMaoJian

河南省南部信陽県2000年の歴史のある茶。
7

敬亭緑雪(緑茶)

JingTingLuXue

安徽省産 陸羽茶経《七の事》にこの茶区の記述がある。明代より開始。
8

蒙頂甘露(緑茶)

MengDingGanLu

四川省産 揚子江中水・蒙頂山上茶 唐~清代 献上茶であった。
9

六安瓜片(緑茶)

Liu;AnGuaPian

安徽省産 唐代より生産開始。芽を摘まず葉だけを摘む。茶葉の形が瓜子(中国でお茶請けとしても使われるタネ)に似ていることからこの名がついた。
10

祁門工夫紅茶(紅茶)

QiMenGongFuHongCha

安徽省産 ダージリン・ウバァと並ぶ世界三大紅茶のひとつ。一般にキーマン紅茶という名で知られているが、正式名は『祁門工夫紅茶』。

清朝光緒以前はこの地では『安録』という緑茶のみを作っていたが、福建省北部で作られる紅茶(正山小種)が海外へ輸出されるのを聞き胡元龍氏がこの地でも紅茶を製造し成功したのが始まり。

芳醇な味、豊かな香りは『祁門香』と尊ばれている。

11

鉄観音茶(青茶)

TieGuanYinCha

福建省南部 安渓産 ぎゅっと丸まった形状の茶葉。7煎入れてもまだ香りがあるといわれる。茶湯の色は黄金色。一般に、茶殻はしっかりとした分厚いものが良い。

黄金桂・毛蟹・本山が混じっている場合があるので茶殻を確認してみよう。

くわしくはこちら

12

武夷岩茶(青茶)

WuYiYangCha

福建省北部 武夷山地区で作られている。ここは世界遺産にも指定されている美しい自然地区で36の峰と99の岩がある。

太古の岩と岩のミネラルを吸い美味しいお茶ができるため別称岩茶とも呼ばれている。

大紅ホウ・鉄羅漢・白鶏冠・水金亀の武夷四大岩茶と、水仙・肉桂など産量の多い岩茶他、現在約167種類の岩茶がある。

13

白豪銀針(白茶)

BaiHaoYinZhen

福建省福鼎産 長い針のような外観 頂芽部分のみで作られる 綿のように白い茶。

背の高いグラスで外形のよさを鑑賞し、茶芽の上下に揺れる様子を楽しむ事ができる。外観の美も追求したお茶。

外観の美は楽しむ事はできないが、地元の人は、ガイワンを利用して淹れているようである。この方法で淹れると味がしっかり感じられる。

くわしくはこちら

14

君山銀針(黄茶)

JunShanYinZhen

湖南省岳陽産 李白の詩にもこの茶が歌われている。

まず、芽の状態で摘む。その後3昼夜、70時間以上の時間をかけてつくる大変手間閑の掛かったお茶。偽ものが多い。

15

プーアール茶(黒茶)

Pu;ReCha

雲南省産 後発酵茶 

食生活が豊かになった中国都市部では成人病・肥満などの問題がおこり、この現代病予防に効果があるといわれるこのお茶は大変なブーム。くわしくはこちら 製造方法から熟茶と生茶があるが、すぐに飲める熟茶がお勧め。

年代を偽った偽ものが氾濫しているので、経験と知識が豊富なプーアール茶専門店での購入が望ましい。

(例:上海のプーアール茶専門店にて、当年もの生茶(形状:七子餅):千年古樹野生茶1ピース70元でした。ご購入の際の目安にして下さい。)

文文からのアドバイス:基本的にどのお茶も、淹れた茶の透明度が高いものが良い茶ポイントです。

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 お茶 ホッと ひといきしましょう:作 ゆいちゃん

**クリスマス&Y太太送別茶会** 

2005年12月20日

お茶メニュー

緑茶:開花龍頂 海抜800メートルの小さな山の頂でつくられている。1631年『開花県志』という名で献上茶になったという記載がある。1979年復活させる。一芽一葉あるいは一二葉で摘む。1985年南京全国銘茶品評会で銘茶に選ばれる。1991年中国文化銘茶賞・1992年中国脳病博覧会金賞受賞

青茶:岩茶の王 大紅ホウ 王順明先生作(上写真 金の箱)

紅茶:雲南省の紅茶 Dian紅(ファーストフラッシュ)

黒茶:雲南省の黒茶 プーアル茶(熟茶)

 

**冬の調合茶**

調合茶についてはこちらをご覧下さい。

クリスマス調合茶

『聖誕茶』合合さん考案

『穏静茶』文美さん考案

『心和茶』香山さん考案

              『悠月茶』美雲さん・『美麗茶』彩美さん・『金桔プーアル茶』絵蝶さん                                                         

 

                          2006年12月 文文(WenWen)

                      

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