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上海タクシー事情(2)

今週は前回に引き続き上海のタクシー事情(2)。

先週述べたように上海のタクシーを使いこなすのは簡単なようで難しい。しかし一度その使い方を覚えてしまえば非常に便利である。

現在、上海に登録されているタクシー会社の数は数百社といわれており、タクシーの登録数は数十万台と言われている。それ以外にも無免許で営業している白タク(中国語では黒タク)などを合わせるとその数たるや相当なものである。

最近、大手タクシー会社の大衆ではレシートNo.で毎月1度抽選を行いプレゼントが当たるキャンペーンを展開している。ちなみに一等は5,000元、二等は1,000元、三等300元、幸運賞20元相当の品物が当たることになっている。これらの情報は大衆タクシーの自動打ち上げ式レシートの裏に書いてあるので機会のある方は見てほしい。このようにユニークな発想が生まれるのもタクシー利用者が多い上海ならではである。

また、運転手からタウンインフォメーションを得るということもタクシーの有効活用法のうちの一つといえよう。例えば以前、まだ上海経済低迷が始める前にタクシーの運転手から夜の情報(カラオケ小姐が減り始めている)を聞き、それから企業業績が全般的に悪化していると考え、いち早く株の値下がりを予測、損失を防いだという話を聞いたこともある。その他にも若者の集まるプレイスポットや飲み屋の情報などについてもなかなか詳しい。と、この辺までは世界各国のタクシーとしてよく聞く話であるが上海のタクシーは更に少し違う。

ご存知のとおり、男女が恋愛する場所が非常に制限されている上海ではタクシーの中も列記とした恋愛の場所として成立してしまう。深夜タクシーなどに乗っていて、前方タクシーの男女の影が重なり、下方へ消えて行くところを目撃したことはないだろうか?私の友人の中には、深夜に女性とタクシーに乗り、仲良くしていると運転手から「しばらくもう少し走りましょうか?」と聞かれたことがある人が何人かいる。

実際しばらく走ってもらった人の話しでは運転手は後部シートを気にする様子もなくしばらく走りつづけたという。上海人に聞いてもこんなことは日常的に行われているらしい。このように上海ではタクシーは移動の手段としてだけでなく、スペースとしても価値を持っているのだ。

KONOK

(編集注:本稿は1998年9月に本サイトに掲載されました)


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