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上海タクシー事情(1)

つい先日のことだが、通常であれば車で15分もあれば行くところに40分以上もかかってしまった。しかもタクシーを乗り換えてのことである。1台目のタクシーは松江出身の運転手で、あまり道も知らずメイン道路を通り目的地に行こうとしていた。そのため大きく迂回し最後には一方通行に阻まれ、「料金は要らないから降りてくれないか」と頼まれる始末だ。2台目だがこれも曲がり角を1本間違えたため目的地まで大きく遠回りすることになった。

上海で時間どおりに目的地に到着するというのは簡単のようで結構難しい。

まずは目的地を告げる。この時目的地がはっきりしており運転手が知っていればいいが、知らない場合は面倒だ。「○○路和××路的十字路口、○○路上」と言わなければならない。「○○路和××路十字路口」だけでは進入路を間違えられ、ただ時間を費やす破目になる。

次に選路である。ここが一番のポイントだ。どんな時間にどの道を通るか?上海の道は車の増加とともに一方通行や進入禁止が増え、時間による交通制限も多数設けられていおり非常に複雑である。よって目安の時間に目的地に着くには、運転手へのルートの確認または自分が頭に描いているルートをきちんと告げなければならない。

さらに速やかに到着したい場合は急いでいる旨をしっかり伝えることも重要であろう。

乗車前のポイントとしてできれば流しのタクシーは避け、ホテルなどからの乗車を勧める。ドアボーイがタクシーのナンバーと行き先を控えているので、物を置き忘れたりその他のトラブルから身を回ることができる。

流しのタクシーに乗る場合はどうするか?まずは会社を選ぼう。上海のタクシー二大会社といえば「強生」と「大衆」であるが、可能な場合はこれらの会社のタクシーに乗りたい。「強生」タクシーは解放(1949年)以前にすでに存在していた歴史のある会社であり(地元公安説)、「大衆タクシー」は上海一のタクシー登録数を持ち、その他レンタカーやバス交通、車に関しては上海で最大手である。この2つの会社のタクシーは社員教育がしっかりしていることや上海人の運転手が多いこと、会社への登録条件が厳しいことなどで上海人の間でも有名である。また車がきれいであることや制服を着用していること等もなかなかよい。

しかしホテル前で乗車したり、タクシー会社を選んだりしてもトラブルに巻き込まれる可能性はある。では万一トラブルに巻き込まれ口論や危険な状態になった時はどうするか?

一番いいのはやはりすぐにタクシーを降りることだ。相手に非がある場合にもきちんと料金を払い降りる。口論の末、料金を払わずに降りるというのはやめるべきだ。料金を払わないのは違法行為であり、運が悪ければ警察に連れて行かれ処理されることもある。しかし相手に完全に非があり腹の虫が治まらないという人はどうするか?まずチェックしなければならないのが運転手の頭部にあるタクシー利用の注意事項(黄色い紙)である。そこにはタクシーの車ナンバーや運転手の登録番号、連絡先等が記入されているのでそれを覚えておく。その他に料金を支払ったときのレシートである。レシートの上にはタクシー会社連絡先やクレームセンターの連絡先等が記入されているので、そこに連絡するのがいいだろう。車のナンバー、運転手の登録番号、レシート番号、ルートなど乗車時の状況を詳細に伝える。その後タクシー会社は運転手に事実確認をする(現在上タクシー会社の競争が激化するなかで大変よく処理されている)。そして結果的に運転手が悪いとなれば、タクシー会社の責任者と運転手が詫び、その時のタクシー代の2倍の料金を返却することになっている。

また、タクシー会社では信用できないという人には、市客運監督処(63232150)に連絡してみるのもいいだろう。この機関は交通局の諮問機関なのでかなりの効果が期待できる。

以上は上海を自由に歩くテクニックである。

KONOK

(編集注:本稿は1998年9月に本サイトに掲載されました)


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