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上海人と海外旅行

最近、「韓国」が上海人の旅行目的で行ける第7番目の国として許可された。許可といっても旅行代理店を通しての団体旅行で、行動の制限は多い。しかし中国という文化圏を飛び出すことは彼らにとっては十分新鮮かつ刺激的である。

 新聞広告などでは8月中旬からまず船による斉州島への一週間のツアーが計画されており、すでに申し込みの方はかなり集まっているとのことである。中国はこれまで北京、天津、重慶、山東、江蘇、安徴、陝西などの省や市の住民に限りシンガポール、マレーシア、タイ、フィリピン、オーストラリア、ニュージーランドなどの6カ国について旅行目的の渡航を許可してきた。これら地域では、パスポート入手が以前に比べ自由になったことや自営業や外資系企業に勤め数千元もの給与を貰うサラリーマン、OLが増加したこと、更に最近のアジア通貨に対する相対的な「元高」もこの海外旅行ブームに大きく寄与していると言えるだろう。

 ツアーの人気別で見てみるとタイ、シンガポールの人気が最も高い。実際行ってきた人にその目的をたずねると、1.「買い物」2.「観光」3.「食事」の順であった。
 「買い物」ではタイなどで貴金属や宝石を購入するケースが多いようだが、購入の際人民元支払いでOKというから驚きである。以前新聞に「タイ買い物ツアーの落とし穴。ツアーガイドとピンハネのしくみ」という記事が載っていた。過去アジアでは日本人・韓国人などがそのターゲットとなってきたが、現在は中国人がターゲットになっているという趣旨の記事であった。しかしそんな記事には目もくれず相変わらず嬉しそうに買い物をしている上海人を見ていると、まさに以前の日本の海外旅行ブームを思い起こさせる。
 「観光」についてはあまりコメントがなく、「きれいなオカマいて、彼らの全員が中国語を話す」ことなどをあげていた。
 「食事」については彼らの多くは現地でも中国料理を食べており、現地の名物料理も食べるが夜になるとお腹が空いてしまい夜食についついラーメンなど食べに行ってしまうという。ただし果物については一同に「中国より安くて美味しい」と話していた。

 最後に「また行きたいか?」と聞くと「行きたい」又は「今度は別の国がいい」と言う。更に「上海とタイはどちらが好きか?」との問いには「那、当然上海!!」と予想通りの答えが返ってきた。やはり上海人どこへ行っても上海人である。

(編集注:本稿は1998年8月に本サイトに掲載されました)


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