7月のある土曜日の午後、某航空会社の空中小姐(スチュワーデス)から久しぶりに電話があった。聞けば現在はすでにスチュワーデスを辞めて、得意な英語を生かし外資系の貿易会社で働いているという。給料もなかなかで生活ぶりも優雅である。久しぶりだし食事でもという話しになりかけたのだが、食事はあまり気が進まないと言うことで、成り行き彼女が会員のスポーツクラブに行くことになった。
上海ジャスコで待ち合わせをして漢中広場(漢中路188号)6階のスポーツクラブへ向う。到着してみると、こんなビルのスポーツクラブはさぞ料金が高いに違いないという感じの30階建くらいの大きなビルであった。6階に着きエレベーターの扉が開くとひんやりとした空気が入り込み身体を包み込み、そこが外とは全く違う世界であることを感じさせた。トレーニングルームも窓に面しており、そこから上海駅やジャスコ、夜景を望むことができる。しかし土曜日の夜だというのに客がまばらである。受付で60元(ビジター料金)を払うとタオルとロッカールームの鍵をくれる。着替えを終えトレーニングルームで待っていているが、彼女はなかなか降りてこない。他の客を観察してみると、どうやら一人で来ている人が多いらしく、トレーニングメニューを黙々とこなしている。彼らはトレーニングが一段落つくと盛んに自分の身体を鏡で眺めている。かなり自信があるらしい。それに視線が怪しい…どう見てもナルシスト系である。中にはすでに上半身裸でトレーニングに励む者もおりこちらは見ているだけで恐い…。
彼女が来た。 遅れてきたのに何ともない顔でバイクトレーニングに腰を掛けトレーニングを開始した。聞けば現在は仕事の合間を見ながら週2,3回通っているという。かなり慣れているのか積極的にメニューをこなす。ついていく私も大変である。しかしこんな形で上海人と汗をかくのはなかなか気持ちのいいものである。
トレーニングしながらこんな高級スポーツクラブに来る人や上海人エグゼクティブについて聞いてみる。まとめてみると以下の通りである。
- 携帯電話を持っている。
- 株、車、家(マンション)のどれかを持っている。
- 外国語に長けており、日常会話程度なら問題なく話すことが出来る。
- パスポートを持ちすでに海外へ渡航経験がある。
- タバコは吸わない。
- 給料は月US1,000ドル以上
ちなみに、私は上の条件を満たす上海エグゼクティブを見たことがないし、私も上記の条件を満たすことが出来ない。条件はかなり厳しい。
最後にエアロビルームで柔軟体操をして上がる。
更衣室も清潔でシャワールームにはサウナやジャクジーがある。シャワー室の前には大きな鏡があり、シャワーを浴びた上海人一人がタオルを巻いたまま盛んにポーズを決めている。これまで上海人のさまざまなポーズを見てきたが、ここで見るポーズが一番恐い。視線が合わないよう、その横を小走りに通りぬける。
その後、ジャスコのレストランで喉を潤した後、もう少し上海エグゼについて教えてもらうため「現代哲示録」(長壽路、亞新広場F3)へ向かう。日本でいえば六本木あたりのおしゃれなカフェバーといったところだろうか、黒を基調にしたシンプルな作りで、吹き抜けになっており客席が3〜400くらいはある。この日は土曜の夜ということでオシャレな上海エグゼで溢れていた。年齢は20〜30歳位が中心で、驚いたのは彼女のさっき言った通り90%以上が携帯電話を持っていることであった。
バンドによる生演奏もあり、洋・中問わず次々とヒットナンバーを歌っていた。
静かに飲めそうで、それでいてハードロックカフェ、ディスコのような盛り上がり、更に食事(中華)も摂ることが出来る。いろいろミックスされておりなかなかユニークである。上海エグゼだけでなく一般の上海人にも受けそうなカフェである。
見ていて感じたのだが、個人的には先程彼女言った上海エグゼ(男)の条件に、7条として「上海エグゼの連れている女性がみな一様に奇麗なことである。」という条項を加えたいと言ったが、これには彼女に同意してもらえない。
飲みなが明日(日曜日)の予定について訊ねると、明日は朝から最近勉強しているコンピューターの学校へ行かなければならないと言う。その後は母親と買物だそうである。上海エグゼは多忙である。
スポーツクラブで汗を流した後、このようなカフェで週末の夜を過ごす。健康的でありかつカッコイイ。更に言えば、二日ある休みの一日を「リラックス」にそしてもう一日を「自己学習」のために。やはり上海エグゼも世界共通「遊」と「学」をうまく使い分け自己管理・啓発進めているようである。
「遊、遊、遊…」になりがちな生活を改めなければと感ずるKONOKであった。 |