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Root No.15
賓水道
・奥林匹克
・落書き

寛容な上海エクスプローラー担当者様のおかげで、8月の「天津そぞろある記」はお盆休みをいただきました。実はこのお盆休みの間、アテネ五輪の開催にかこつけてエーゲ海へ行ってきたんです!!河西区友誼路にあるレストラン「エーゲ海」。オヤジが宴会の席で得意げに言って皆のひんしゅくをかうようなネタを使ってしまいました、スミマセン。ちなみにエーゲ海は中国語で「愛琴海」です。レストラン「愛琴海」、なぜかロシア料理のヴォルシチがおすすめです。

さてさて、生来怠け者のわたくし、一度休むと休みグセがついてしまって、図々しく9月も秋休みをいただこうと思ったんですが、担当者様の仏の顔は年に1度くらいしかないそうなので、残暑の厳しい中、行ってきました。そぞろある記15回目は予告通り、「賓水道」です。

賓水道は天津市内の南方を東西に横切る比較的大きな通りで、西は水上公園東路(水上公園の東沿いの道)、東は友誼路と交わっています。賓水道はその景観と雰囲気によって、西の水上公園東路から衛津南路までのA区間、衛津南路から環湖中路までのB区間、環湖中路から紫金山路までのC区間、紫金山路から友誼路までのD区間、4つの区間に分けられると思います。A区間は天津体育館を中心としたスポーツ振興エリア、B区間は天津市腫癌医院を中心とした医療エリア、C区間はファーストフードやスーパーが林立する比較的にぎやかなエリア、そしてD区間は一流ホテルが点在していて並木の美しい閑静なエリアです。今回はAからDに向かって歩いてみました。

奥林匹克

「奥林匹克」とは何のことか皆さんわかりますか。四露死苦、ヤンキー用語ではありませんよ。中国語でオリンピックのことです。「奥=あお」「林=りん」「匹=ぴー」「克=く」と全部発音から漢字を当てはめているので字面だけ見ると奇妙ですが、中国語ではこれでオリンピックと読むのです。アテネオリンピックは雅典奥林匹克、次回2008年は北京奥林匹克となります。ちなみに、実際は「奥運会」という略称が使われているようです。

さて、雅典奥林匹克も終わり、4年後はいよいよ北京奥林匹克。4年後に向けて、開催都市北京はもちろんのこと、北京に最も近い大都市であるこちら天津も、市を挙げての都市整備が急ピッチで進められています。道路の整備、地下鉄の建設など交通インフラが整えられると同時に、体育館などのスポーツ施設も立派なものが次々に建てられています。

賓水道のA区間は前述したように天津体育館を中心としたスポーツ振興エリアで、体育館の西側には「天津奥林匹克中心体育場(天津オリンピックセンター・スタジアム)」(建設準備中)が、南側には「体育賓館」というホテルがあります。天津奥林匹克中心体育場は、北京オリンピックに競技場として使用される予定で、昨年2003年より建設準備が進められています。デザインは日本の設計会社の案が採用されたそうです。現在のところはまだプレハブの小屋があるだけで建物らしいものは何もありませんが、近い将来この場所にすばらしいスタジアムが誕生するのは非常に楽しみです。


こちらは過去に様々な国際試合が行われたことのある天津体育館。
キノコのような丸い屋根が印象的


体育館の門の題字は江沢民元主席の筆だとか


体育館の前は舗装されたばかりで、殺風景。
これから開発が進みにぎやかになっていくと思われます


体育館の真正面は広州料理の店「翠亨邨 海鮮酒楼」
こちらの飲茶はなかなかおいしいです


そのとなりは天津市老年活動中心「楓林園」
バックに聳えるは天塔。市内のどこからでも見えます


さらにそのとなりは蓮池。
昼下がり、老人が釣り糸を垂らす長閑な風景が見られます

「・・・・・・」

落書き

どこの通りにも必ずと言っていいほどある落書き。賓水道は特に落書きが目立っていました。日本の落書きというと、相合傘とか、「○○参上」とかが一般的で、ちょっと上等なものとなるとカラフルなスプレーでヒップホップ調の文字が描かれていたりします。が、中国の場合、絵や図形の落書きはほとんどなく、主な落書きは数字。その代表的なものが「135××××××××辨証」。前の11桁の数字は携帯電話の番号で、後ろの漢字は「証明書を発行する」という意味です。この落書きはおそらく、正規ルートではない方法で証明書を発行する代理業者のチラシ的役割を果たしているのでしょう。学生証、領収書、合格証明証、運転免許証、パスポート…一体何の証明書を発行してくれるのでしょうか? 何でもありなんでしょうか? 危険なにおいがプンプンします。常日頃清く正しく暮らしているわたくしには全く縁がなく、その実体を知る由もありませんので、どなたかご存じでしたら教えてください。


あんなところにも…


こんなところにも…


立派な建物を構える天津市腫癌医院──しかし、


その近くにもやっぱり落書き。
しかしこちらは中国では珍しいヒップホップ系(?)


サブウェイ、マクドナルド、ケンタッキーが
三つ巴の戦いを繰り広げるファーストフード激戦地
さすがにここには落書きはありませんでした


紫金山路に沿って流れる「衛津河」の右岸に小さな公園を発見


しかし、落書きのせいで名前は分からずじまい…
(「示範公園」で正しいでしょうか?)


公園の門の立派な石碑もよく見ると落書きだらけ


茂みの中から…わっ!


何かと思えば、フジ棚の通路でした。
細長い通路を龍の体に見立てるとはいかにも中国らしいと感心しますが
その一方で、あの龍の頭さえなければ…と思う人間はわたしだけではないはず


さて、衛津河を越えると、賓水道は並木に囲まれた閑静な通りへと一変します。
この辺りは一流ホテルが点在する市内有数のホテル街。
西側から、帝城大酒店、天津賓館、水晶宮飯店と続きます。
また、少し北へ上がると喜来登大酒店もあります


天津賓館


水晶宮飯店


水晶宮飯店の前に立っている白い塑像。
鉄槌のようなものを杖にし、片足を投げ出している、あなたは誰?


賓水道と友誼路との交差点の南東部は広々とした公園となっています
その名も「銀河公園」、銀河…ってねえ…
ここも人民公園に負けず劣らずパラダイスが多そうです。
パラダイス銀河、お後がよろしいようで。

「クーベルタン」

次回は日本、ヨーロッパを経由して「成都道」を歩きます。
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Illust & Text by KEYOU... http://keyou.at.infoseek.co.jp/

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