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Root No.8
健康歩道
今回そぞろ歩きを決行した日は1月6日。この日が中国の暦の上では何と言うかご存じでしょうか。「小寒」です。池の水が凍り天然アイススケートリンクになってしまっている今日この頃、「小寒」と言えどもめちゃくちゃ寒いんです。前回予告していたのは「水上公園」ですが、総面積213ha(ヘクタール)、東京ドーム45個分もの広さをこんな時にのんきにそぞろ歩いてなんかいられません。というわけで今回は急遽予定を変更して、我が家の「健康歩道」を歩きます。


イテテッ!

こんなことをしていると連載打切り、落伍者の烙印を捺されてしまいかねないので、やっぱりちゃんと歩きます。でも家の近所で勘弁してください。

「・・・」

改めまして…

Root No.8
万徳庄大街

・露天商
・早点儿
・万徳世界

万徳庄大街」は、かろうじて天津主要地図に載るほどの小さな通りです。海光寺(南京路と衛津路の交差点)の南西に東西に伸びていて、東端は衛津路に接し、西端は南に折れて「西湖村大街」に名を変えます。長さも400〜500mといったところでしょうか。看板も格が下がっています。

露天商

知る人ぞ知る万徳庄大街。ですが、街の様子は意外にもにぎやかで、この短い通りの両側に様々な商店が隙間なく並んでいます。中華料理の大型店舗やお洒落な雰囲気の喫茶店、24時間営業のコンビニ、マッサージサロン、レコード店などが小奇麗な外観で人の目を惹きつけている一方で、小ぢんまりとした餃子屋さんや小吃(中国の軽食)屋さん、総菜屋さんなどが、ホカホカと白い湯気を立てながらおいしそうな中華料理を売っています。またコリアンタウンの一角に位置するだけあって、韓国レストランや韓国式美容サロン、コリアンフードショップが多く、ハングル表記の看板が目立つのもこの通りの特徴です。

そして通りと商店の間の歩道を陣取っているのが露天商。この露天商の種類が実に豊富で、野菜や果物はもちろんのこと、駄菓子、甘栗、手打ち麺、手袋、かばん、目覚し時計、海賊版CD・DVD、なんと下着までも、ありとあらゆるものが荷車の上や地ベタに並べて売られています。全部の露店を寄せ集めたら小さなスーパーが、それもかなりインチキ臭そうなスーパーが1軒建てられそうです。まあもしそんなスーパーがあったとしても、私は絶対に行きませんが。


果物の露店。旬はミカン、リンゴ、イチゴ。
スイカは年中売られています


右の荷車は「瓜子(クアズ)」の露店。
瓜子はヒマワリやカボチャの種を炒ったもの


三輪車の荷台が鉄板になっている

「ぐわぁ ぐわっ 瓜子」

早点儿

露天商は種類が豊富なだけではなく、食べ物を扱う露天商においては時間帯によるバリエーションも楽しめます。朝の軽食という意味の「早点儿」の露店は当然のことながら朝しかありません。が、昼になると、「早点儿」に替わって焼きそばやチャーハン、惣菜、ポップコーンなどの露店が出現します。そして夕方は臭豆腐や鍋料理、串焼きの露店が独特の香りと白い湯気を漂わせ始めます。

ところで「早点儿」ですが、これは前述した通り、朝の軽食です。朝早くに食べる点心だからこのように言うのです。種類はいろいろありますが代表的なものは「油条」「煎餅果子」「大餅鶏蛋」。「油条」は小麦粉をこねて油で揚げた棒状の揚げパンですが、パンのようなボリュームはなく、フワフワ、クニャクニャとした食感があり、好きな人にはたまりません。「煎餅果子」は言わば中国風クレープ。小麦粉と卵をといた生地を鉄板で薄く焼いて前出の「油条」などを包みます。「大餅鶏蛋」は大餅(小麦粉で作ったナンのような皮)の間に卵焼きをサンドしたものです。各店で特徴があり、大餅が薄いもの、厚いもの、生野菜やソーセージなど具だくさんのもの、卵焼きだけのシンプルなものなどなど、各店ごとに違った味が楽しめます。

小さい頃から朝食はご飯と味噌汁、またはトースト&コーヒーで育ってきた私にとって、「早点儿」の存在は初め不思議なものでした。朝から露店までわざわざ買いに行くなんて面倒くさいし、買いに行く暇があるならむしろ寝ていたい、そんなふうに思っていました。がこれが大間違い。ある日友達に勧められて早起きして「早点儿」を食べてみたところ、これがめちゃくちゃおいしい!しかもめちゃくちゃ安い! で、今「早点儿」にはまっています。「早点儿」は中国を代表する素晴らしい食文化であり、「早点儿」があるから中国の人はあんなにもエネルギッシュなのかなあと思います。


最近よく食べている大餅鶏蛋。大餅がモチモチしていて具だくさん。
このボリュームで1個2元(約30円)!


上の大餅鶏蛋を作っているのがこちらの露店。
お昼近くに行っても無理して作ってくれるのが有難い

「だっ だぁ ダービン」

万徳世界

中国語を少し勉強したことがあってちょっと勘の鋭い方なら、上のタイトルを見て、これがどんな意味かすでにお気付きになられたかもしれませんが、そうでない方のために説明させていただきます。「万徳庄大街」の「万徳庄」はこの通り一帯の地名です。そしてこの「庄」は村落という意味で、そのため他の土地にも「○○庄」という地名がたくさんあります。では「万徳」にはどんな意味が含まれているのでしょうか。「万徳」は中国語で「wan(わん)・de(だぁ)」と発音します。そう「wonder」です! 万徳庄大街には、その名の通り「wonder」なものが目白押しです。まさにワンダーワールドというわけです。ここでその一部を紹介しましょう。


某韓国レストランの店内を隠し撮り。
額の絵はやっぱりアレですよね?お食事中の方スミマセン。
ってここに来たお客さんはみんなお食事中なんだなあ…


桃型の「福寿」ケーキ(668元)
いかにもめでたい感じはするけど
肝心の中身はどうなってるんだろう?


寒空の下で集うおじいちゃんたち。
みんな鳥打帽にサングラスでちょっとあやしい。
ちなみに後ろの薬局に立てかけられている看板のモデルは
驚異のダイエットに成功した孟慶剛君(の昔の姿)


2003年夏にオープンした美容室「すごい」
実はちょっと前まで「まごい」で意味不明だったが、
最近正しい日本語に直されてやっと納得した。

「もっ ももっ」

次回こそは、水上公園・東京ドーム45個分を歩きます。
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Illust & Text by KEYOU... http://keyou.at.infoseek.co.jp/

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