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Root No.6
衛津路
・天塔
・衛津河
・大学めぐり
・八里台

天津そぞろある記6回目は「衛津路」。南北に伸びた大通りで、北は南京路と交わる「海光寺」の交差点に始まり、南は「八里台」の立体交差橋まで続きます。立体交差橋より南は「衛津南路」に名前を変えて、南へただひたすらひたすら、地図にも載らない郊外まで伸びています。今回は衛津南路の北端から海光寺に向かって、そぞろ歩いてみました。

天塔

衛津南路北端の東側に「天塔」があります。正式名称は「天津広播電視塔(テレビ塔)」と言います。「上海のテレビ塔(東方明珠電視塔)ができるまでは中国一高い建造物だったんだ」と誇らしげに語る天津人もいますが、事実、天津においてはいちばん高い建物であり、天津のシンボルタワーと言って過言ではないでしょう。

塔の内部は、1階が土産物売り場になっていて、天津特産の泥人形をはじめ中国の伝統的な民芸品や玉(ぎょく)などを売っています。観光客はそこからすぐエレベーターに乗って最上階へ行きます。最上階は全面ガラス張りで、天津市を360度展望できるようになっています。入場料は確か60元(2年近く前に行ったきりなので定かではありません)。日本円にして1000円、決して安くない料金ですが、天津をパノラマ式に眺められる唯一の場所なので、行ってみる価値はあると思います。

さて天塔周辺に目を移してみましょう。周りはになっています。見たところお世辞にもきれいとは言えない水質ですが魚はいるようです。でも釣りは禁止されていて「釣魚厳禁 釣一条罰款10元」という立札があります。見つかったら1匹単位で罰金を払わないといけないので気をつけましょう。ちなみに真冬になるとこの池は厚い氷に覆われ、天然アイススケート場に様変わりします。


天塔の周りは一面 池


天塔の前にはシャッターの下りた意味のない地下道が…


地下道のフチに足をのせて電話しているおじさん
コンクリートの塊はもはやこの程度の役割しか果たせていません

「・・・・・・。」

衛津河

天塔の池を挟んで衛津南路の反対側は「紫金山路」であり、この道沿いに「衛津河」という河が流れています。「衛津河」は八里台の交差点で東西に流れる「津河」と交わり、さらに衛津路に沿って北へ伸びています。

衛津河も天塔を取り囲む池と同様水質はあまりよくなさそうですが、やっぱり魚はいるようで、こちらは「釣り禁止」ということではないので、天気のよい昼間ともなると、おじさんたちが大勢釣り糸をたらしている姿が見られます。おじさんたちの竿はピクリとも動きません。が、釣れるのか釣れないのか、そんなことはどうでもいいといった感じで、おじさんたちもまたビクとせずに釣り糸の先を眺めています。衛津路の長閑な一風景です。


天津の太公望たち

行く川の流れは絶えずしてしかももとの水にあらず…と古典にもあるように、川は流れているものです。山から湧き出でた岩清水が小川となり、やがて大河となって海へ注がれるというのは自然界の常識と言っていいと思います。しかしです、この衛津河はそんな私たちの常識を覆すかのごとく、海光寺交差点付近でプッツリと途絶えています。地図でも確認しましたが、川を表す水色のラインは海光寺交差点手前の「双峰道」というところで消えています。

衛津河の流れって、一体どうなっているんでしょうか。ここは川の起点なのでしょうか、それとも終点なのでしょうか? 気になって夜も眠れないのでわざわざ広域地図を買って調べてみたら、衛津河の南は、天津駅前を通って渤海湾に注ぎ出る「海河」の途中で合流していました。要するにここは衛津河の起点、衛津河の源だったのです! 世の中には、町のど真ん中から始まる川もあるんだなあ…そぞろ歩きも勉強になります。


衛津河の上流はゴミだらけ… 下流で魚を釣って大丈夫か?

あ、そうそう、衛津河と言えば、

↓↓↓


川の流れに身をまかせ〜♪っちゅうことでしょうか、
奇特な方もいるものですね。
どうぞお幸せに。

「・・・・・・。」

大学めぐり

「衛津路」は学生街としても有名です。この通りに沿って南開大学、天津大学、天津師範大学と有名大学が並んでおり、アカデミックな雰囲気が漂っています。南から順を追ってご紹介しましょう。

まず、八里台の立体交差橋の東南に「天津師範大学」があります。1958年設立の教育系総合大学です。留学生は400名程度。そのうち韓国人が圧倒的に多く、日本人は40名前後だそうです。また海光寺の近くにもキャンパス(北院)があります。

続いて「南開大学」。八里台の立体交差橋の北西、師範大学の対角に位置しています。1919年設立の文系理系の総合大学であり、天津でいちばん規模が大きく、また周恩来の母校としても有名な大学です。衛津路に面しているのは東門で、正門は南側の「復康路」沿いにあり、そのど真ん中に天を仰ぐ周恩来の像が立っています。国外にも開けた学校で、約700名の留学生を抱え、そのうちの半数は日本人だという話です。HSK(漢語水平考試)の申し込み・受験会場にもなっています。

最後は「天津大学」。国会議事堂ではありません。1895年設立の理工系総合大学で、南開大学の北側に隣接しています。留学生は250名くらいで、日本人はその1割だそうです。2001年秋から1年間、私はこちら天津大学で中国語を勉強していましたが、当時は15人のクラスに日本人は私1人という状況でした。中国語を勉強する環境としては悪くはないと思います。

「・・・・・・。」

八里台


八里台の立体交差橋(南側)

人の集まるところに商売あり。有名大学が密集し学生が集う八里台には、「八里台新文化市場」という商店街を中心として、レストランに喫茶店、書店にレコード店、雑貨屋、洋服屋、コンビニなどさまざまま商店が軒を連ねており、昼夜を問わず学生たちでにぎわっています。老舗「狗不理包子」のファーストフード店もあります。


南開大学東門の前、若者がうようよ

ここ八里台に、ぜひぜひお勧めしたい一軒の甘栗屋さんがあります。「童年時代栗子屋」という、一見してごくごく普通の小さな甘栗屋さんです。が、ここの甘栗はメチャクチャおいしい。粒が揃っていて虫食いがほとんどないのはもちろんのこと、皮の剥け具合のよさといい、甘さといい、私が今まで食べた甘栗の中では抜群においしいです。サイズは大・中・小とありますが、中サイズがいちばん味がよくてお勧めです。はにかみ屋の“看板少年”年齢不詳もお勧めです。500グラム10元(約150円)、お試しください!


童年時代栗子屋 と
そこで働く看板少年(うっすらヒゲ有り)


甘さ、食感ともにベストなのは中サイズ!

ところで一時日本で一世を風靡した「剥き甘栗」って今も人気があるんでしょうか。甘栗の皮をあらかじめ剥いてから売るという発想はコペルニクスでもできないほど斬新なものでした。そんな剥き甘栗が、実は天津でも売られています。甘栗の皮剥きって確かに面倒だし、指も疲れます。でも、だからといって、最初から皮の剥いてある甘栗がそれほど魅力的でしょうか。ただ食べることの利便性だけを追求するあまり、皮を剥きながら食べるという喜びを失ってはいないでしょうか。皮があってこその甘栗だと私は思います。しかも、甘栗の皮はコツさえ掴めば意外と簡単に、それも面白いようにつるんと剥けるんです。甘栗は自分の手で剥いて食べたいものです。以上、今日のコラムでした。

「・・・・・・。」

とんぱ大王は
只今日本出張中につき
今月はコメントできません。
全国で応援してくださっている
7名くらいのファンのみなさん、
ごめんなさい。
by けよう

次回は「馬場道」を歩いてみようかな〜と思っています。
が、寒くなるから変更するかもしれません。
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Illust & Text by KEYOU... http://keyou.at.infoseek.co.jp/

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