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Root No.3
濱江道
・濱江道(北)〜裏通り〜
・濱江道(南)〜歩行者天国〜
・中国のオバちゃん
濱江道」と言えば、天津で生活している人なら誰でも知っている天津きってのファッションストリートで、1kmくらいの歩行者天国となっています。ですがそれは濱江道の一部であり、実際には天津駅前付近の海河右岸より発し、天津の目抜き通りである南京路との交差点まで続く道を指します。天津の通りという通りをそぞろ歩くことがテーマのこの企画、もちろん駅前から南京路まで歩きました。途中でタクシー・・・乗ってません!!

濱江道(北)〜裏通り〜

濱江道北側の道幅はそれほど広くなく、両サイドに青々とした街路樹、その緑の影に小ぢんまりとした商店が立ち並んでいて、南側のがやがやとした雰囲気と好対照をなしています。黒と白のサインポールが回っている理髪店、窓から飲料や駄菓子などを売っている小店、「五金」という看板を出している金物屋、貸衣装でスターみたいな写真を撮ってくれる変身写真館などいろいろあり、店構えは繁華街のそばだけあって、まあまあ小ぎれいです。が、特に目を引くようなものは見当たりません。わざわざ道の端っこから歩いて失敗、メインの歩行者天国だけぷらぷら歩いて帰ればよかったなあと後悔し始めた頃、あるものが目に留まりました。

それは三輪車。と言っても、日本の幼稚園児が乗るようなシロモノではありません。幅80センチ×長さ120センチくらいの荷台が付いた中国式三輪車です。ある者はスイカなどの青果物を積んで、ある者は石灰の白い粉を山積みにして、またある者はおじいちゃんやおばあちゃんを乗せて…と、いろいろな用途に使える万能な乗り物です。住んでいる地域がディープなせいもありますが、私はこの三輪車を1日に1台は見かけます。ひょっとしたら中国で自転車の次に普及している人力車輌なのではないでしょうか。

中国式三輪車にはいろいろな種類があるようですが、最もよく見かけるのが赤と黒のベッコウ風のまだら模様をあしらったタイプ。ちょっと毒々しい感じがしないでもないですが、たくさん出回っているところを見ると、中国の人々には受け入れられているのでしょう。それとも見た目とは全く関係ない部分で特別に優れた点があるのかもしれません。ともかく、このベッコウ風三輪車を頻繁に見かけるので、そのたびに「どこで売っているんだろう?」と気になっていたのでした。

それが濱江道北側のこんな目立たない場所にあったなんて! そこは比較的大きなサイクルショップで、全面ガラス貼り、中には格好いいマウンテンバイクからバッテリー式の電動自転車まで、さまざまな自転車が並んでいました。気になる三輪車は店の入口の前に止まっていました。もちろん傷ひとつない新品で、赤と黒の毒々しい光沢を放っています。「やっと出会えた…」まるで運命の恋人に巡り合ったような気分で恍惚と三輪車を眺めていると、店内から老板のするどい視線が…。慌てて写真を撮ってから、そそくさとその場を離れました。

「いやー」

濱江道(南)〜歩行者天国〜

サイクルショップからしばらく歩くと道が開けて、和平路との交差点に出ました。濱江道と和平路の交差点の東南の角に、お城みたいな洋風建築がズドーンとそびえ立っています。「天津勧業場」。天津っ子には馴染みの深い老舗のデパートです。旧フランス租界の名残を留めるアール型の高い屋根と優雅な装飾が、ひときわ目を引きます。古びた灰色の重厚な壁が歴史を感じさせます。

天津勧業場のあたりから歩行者天国になり、人通りが極端に激しくます。おおぜいの人々が行き交う中を、歩行者天国専用のミニバスが通ります。観光客ばかりが乗っているのかと思いきや、普通の地元買い物客もよく利用しているみたいです。(※ピントがぼけててスミマセン!)

濱江道歩行者天国のコンセプトは19世紀末のヨーロッパを彷彿させるような異国情緒ある町並み。道は一般道路のアスファルトではなく、グレーの石畳風になっています。また、アンティークな背の高い街頭が間隔をおいて立っています。雑踏を除けば、なかなか雰囲気のいいところです。

濱江道の真ん中に、馬車のオブジェ。う〜んアンティーク。でもちょっと違うような…。この馬車は観光客の記念撮影スポットになっていて、撮影の順番待ちをする観光客やカップルで人垣ができている時もあります。順番待ちと言っても、列ができているわけでもなく、また整理券があるわけでもありません。譲り合いなんてものもあるわけがありません。前の人が写真を撮り終わったのを見計らってタイミングよく馬車の前に立たないと、ほかの観光客に横取りされてしまいます。このような場所取りに関して、中国人は非常に長けています。列に並んで待つことに慣れている日本人にはちょっと難しいでしょう。私なんぞ、中国人の間に割って入ることができず、観光客全員が撮り終わった最後の最後にやっとこさ馬車の前に立って1枚撮りました。

道の両サイドには、所々にファーストフード店やパラソル付のレストコーナーがある以外、洋服やメガネ・アクセサリーなどの服飾品、カバン、靴などのお店ばかりがずらりと軒を連ねています。まさにここは天津のファッションストリート。そして建物の裏手には、1〜2坪の小さな露店がひしめき合っていて、主に洋服やカバン、靴などを売っています。若者向けの商品が多いですが、オジさんやオバさん向けの服なども数多く揃っていて、老若男女問わず楽しめます。

濱江道の終点は南京路との交差点です。ここで濱江道を背にして立つと、真正面にアール型の古びた建築が見えます。「天津西開教堂」という、天津でいちばん有名なカトリック教会の建物です。巨木に囲まれ、周囲の喧騒と対照的な厳かな雰囲気をただよわせています。この教会で結婚式を挙げる若者もいるそうです(※聞いた話では、ちゃんと洗礼を済ませた信者しか挙式できないとか)。また、季節はずれの話題ですが、クリスマスイヴの夜になると教会の前の通りが美しくライトアップされ、イルミネーションの下におおぜいの信者やカップルたちが集まってお祝いをするのだそうです。

「ちょっとね」

中国のオバちゃん

濱江道歩行者天国は天津きっての繁華街、そぞろ歩けば何か面白いものに出会えるのではとワクワクしていたのですが、実際歩いてみると、その期待とはウラハラに「収穫なし」。ですが、このまま引き下がる私ではありません! 観察しました、中国のオバちゃんを。

日差しの強い夏にしかお目にかかれないのですが、中国のオバちゃんは外出する時よく「サンバイザー」をします。サンバイザーとは、帽子の頭部がなくて、つばだけが付いたもので、日本でも女子ゴルファーやオバちゃんが愛用しています。ですが、中国のオバちゃんが愛用しているサンバイザーは、日本のそれとはちょっと違うんです。どこが違うかと言うと、つば部分が大きい、そして、つばの素材が黒の半透明プラスチック。極めつけは、それが開閉式になっていて、上げると普通の日よけになり、下げるとサングラスの代わりになります。ちょっとゴージャス。ちょっと機能的。ちょっとガッチャマン。試してみたい今日この頃です。

「熱がさがらへんのですわ・・・」
                           コメントできる心理状態にないってことでここは一つ勘弁してもらえませんやろか

次回は「南京路」を歩けたらいいなと思っています。
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Illust & Text by KEYOU... http://keyou.at.infoseek.co.jp/

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