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第52回 活動中の2度の涙(第2章)
平成20年度3次隊 湖北省恩施市 湖北民族学院医学院附属医院
看護師 板井良依(徳島県出身)


■千羽鶴に託した願い
 今の医療で治せない病気でもなく、設備が整っていないわけでもなく、医療保障が整備段階にあり、お金の問題で治療をあきらめないといけないという状況がとてもくやしかったです。けど、この患者さんだけに私が代わりにお金を払ってあげるのもちがうし、いろいろ葛藤がありました。そして私は千羽鶴ならぬ百羽鶴を折って、『気持ち』を渡したのでした。
 結局、病院側の好意により再度手術を受けることができ、この患者さんは笑って退院することができました。百羽鶴は、患者さんのベッドサイドにずっと飾ってもらっていました。退院の日には「いつも気にして会いに来てくれてありがとう」と言ってもらい、私もとてもうれしかったです。

 この患者さんとの関わりを通して、日本ではあたりまえに思っていた医療保障もあたりまえではないこと、社会保障の大切さと、心理ケアや日本の看護の良い所、看護とは何なのか、を考えさせられました。

■2度目の涙
 2度目に泣いたのは活動1年ちょっとしてから、中医風湿免疫科(中国医学と膠原病科の混合病棟)で勤務していた時のことでした。
 正直私は中国に来るまで、日中の歴史問題についてあまり知りませんでした。しかし、いろいろ聞かれることもありますし、なにより日本人として知らないことはとても恥ずかしいことと感じるようになりました。まだまだ知らないことはたくさんありますが、日中の歴史問題について自分なりにいろいろ考えながら活動をしています。

 日本と中国では医療の制度が違うことから、直接私が看護に関する日常業務でお手伝いできることはとても少ないです。中医風湿免疫科では、私は毎日病室で患者さんに漢方薬を関節に塗って包帯を巻く処置をしていました。

(2010年8月)



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