■■第九回 健康ビジネス最前線~ 強制ではなく自然の力を後押し~ ■■
(ビッグバイオ 阪本総経理 )
各方面からの問い合わせに大忙しの阪本総経理
今回は視点がぐっと広がり環境問題にまで話が及ぶ。しかし毎日の暮らしの中で使用する「薬品」は地球環境のみならず、直接人体に影響を与えているかもしれない、と考えるとこれは非常に身近なテーマともいえる。納豆菌の仲間である微生物「BB菌」の力を応用して「防かび剤」や「悪臭処理剤」、「水質浄化材」を製造し、日本でもマスコミで取り上げられ一躍有名になったビッグバイオの阪本総経理に話を聞いた。
○自然の力だけを借りる
わいん :まず「BB菌」なんですが、決して納豆から作っているわけではないんですね。
阪本総経理 : 違います。納豆菌の仲間である「バチルス菌」という微生物を集めた微生物群なんです。納豆から作るのではなく、原料といいますか、この菌は空気中でも水の中でも、どこにでもあるものなんです。
わいん : 原料は特別なものではない、ということですね?
阪本総経理 :そうです。特別ではありませんが、これだけを抽出して培養し、製品化する、ここに難しさがあります。
わいん :なるほど。化学合成ではなく自然のものを取り出し、育てるわけですね
阪本総経理 : はい。自然のもの、たとえば川を考えてください。落ち葉や藻が川底に堆積して腐っていきますが、そのために水が濁ってしまったり悪臭を放つことはありませんよね。これは自然界にある微生物の作用で分解され、自然に帰って行くからなんです。自然にはその力があります。
わいん : 「自然治癒力」のようなもんですね。
阪本総経理 : その通りです。自然には自分自身で有機物を無機物変え、その過程で有害なものも分解するシステムが備わっていますが、その役割を果たしているのが様々な微生物なのです。
わいん :それを利用したんですね。
阪本総経理 : ええ。BB菌は臭いのもととなるアンモニアや硝酸を分解します。当社の製品にはこれを使った悪臭処理剤や水質浄化材、シックハウス症候群の原因とされるホルムアルデヒドの除去剤、排水パイプのぬめり処理剤もあります。
わいん: 私も排水パイプのぬめりとりをしたいのですが、強烈な薬を使うのは抵抗があって、やっていません。特に中国で購入する製品は強力すぎるような偏見もあって…
阪本総経理: 当社の製品は薬ではありませんから、即効性はありませんが、効果は長持ちしますし、何よりも自然を汚すことはありません。
わいん: 化学薬品は使っていないんですか?
阪本総経理: 使っていません。ですから、もちろんお勧めはしませんが、口に入っても危険はありません。
わいん: そうなんですか?!化粧品などではよく「自然のから抽出」というのがあるのですが、そういう成分が入っている、というだけで、ほとんどは化学薬品でできていることが多く、あまり信じられなかったんです。
阪本総経理: 当社のポリシーとして地球を汚すものは一切使用しないとしているんです。ですから数々の動物実験をしてきましたが、皮膚につけても、目に入っても、まったく問題はありませんし、その証明をもらっています。
わいん: それはすごい。
阪本総経理: たとえば臭いやカビに対して、薬は強制的に除去をしたり死滅させたりするものです。このBB菌は自然が分解するための手助けをする、後押しをするというもので、アプローチの仕方が全く異なります。
○野菜を育てるように
わいん: 中国で生産もしているのですか?
阪本総経理: いいえ、微生物は環境によって住んでいる種類や構成が全く異なりますので、現在のところはすべて日本(熊本県)で行っています。
阪本総経理: 生産にも時間がかかります。ちょっとした温度や湿度の変化や条件により、菌群の構成が変わってしまいます。ですので、生産の過程で何度も検査を重ねて機能や成分を確認します。
わいん: じゃあ、製品化したら、あとは一気にオートメーション、ってわけにはいかないんですね。
阪本総経理: そうです。1ロットごとに育てているのです。野菜を育てるのと同様です。
わいん: なるほど、それじゃ無菌室など気を使って…。
阪本総経理: いえいえ、「菌」を育てているのですから「無菌室」にしては死んでしまいます。これらの微生物はあくまでも普通に自分の周りにいる菌なのです、ですからできるだけ自然に近い状態にして育てることが大切です。
わいん: そうか、生産というより培養なんですね。
阪本総経理: プラスチック容器やそういった材料は今後現地調達も考えています。
わいん: 販売のほうはどうですか?
阪本総経理: 中国ではまだまだエコ意識が十分に育ってはいませんので、「環境デー」のイベントや展示会などでエコロジーについてのキャンペーンを行っています。
わいん: まずは意識改革ですね。
阪本総経理: そうですね。そういう中で販売店のほうから声をかけていただき商品を置いていただくケースもあります。福州の百貨店に商品を卸しているのですが、ここは先方から「販売したい」と連絡をもらって驚きました。
わいん: 福州ですか?あまり日本製品があるって聞きませんよね。
阪本総経理: 当社の製品は上海、北京、成都、そして湖南省と福州で販売しているんです。湖南省でも評判がいいです。中国の方は、よいと思うと次に大量に購入してお友達に配ったり、口コミをしてくれるんですね。
わいん: 一番良い宣伝方法ですよね。
○さらに広がるビジネス
わいん: 今後についてどういった展望をお持ちですか。
阪本総経理: 畜産や農業、最近言われる「アグリ事業」でこれらの技術を応用してもらいたいと考えています。口蹄疫についてもすでに宮崎県と共同で研究を進めていますし、野菜を育てるうえでもカビは大敵ですからこれを化学薬品ではなく、「BB菌」を散布することで防ぐことができると考えています。
わいん: そうか…生物の病気は細菌が原因になることが多いですもんね。
阪本総経理: はい、この技術は、要するに「バチルス菌」という善玉菌を増やし、ほかの菌が繁殖できないようにするものなんです。菌は自分たちの仲間を増やし、異質のものがくれば敵とみなして攻撃しますから、悪玉菌がやってきても退治されてしまうんです。
わいん: 逆に負けちゃうことはないんですか。
阪本総経理: バチルス菌は微生物の中でも
特別強い菌ですから。
わいん: なるほど。
阪本総経理: それからBB菌のほかに「ヨウ素」を使った除菌・消臭剤も扱っています。選択の生乾きや部屋干しをしたときの臭いを抑える製品です。
わいん: 菌と違いますね。
阪本総経理: 自然界で大切なのはバランスと組み合わせだと考えています。ヨウ素はイオン反応を起こし、悪い菌を除去することができます。微生物は効果が長持ちしますが、活発に活動できるように増えるまでに時間がかかります。それに対してヨウ素は即効性がありますから、これをうまく組み合わせていくことで、長く、効果的な衛生管理をしていただけると考えています。
○徹底的
わいん: このホルムアルデヒドの除去剤やお部屋の消臭剤、きらきらできれいな粒粒ですが、本当に化学製品を使っていないんですか。
阪本総経理: はい。粒になっているのは吸水性ポリマーに吸わせているからなんです。
わいん: それが化学物質では?
阪本総経理: これはでんぷん質から作ったものでやはり自然界のものなんですよ。
わいん: へえ、徹底的なんですね。こっちの水質浄化材は?コンクリートみたいな塊ですが。
阪本総経理: これは軽石です。この中に菌が閉じ込められていて、今は眠っている状態なんです。水に触れることで目覚めますから、これを入れることで水が浄化されます。
わいん: 水槽以外にどんなところに使われるんですか?
阪本総経理: 噴水や公園の池など、今は上海万博の日本館わきの池にも利用されているんですよ。
これにより、水を交換する回数をぐっと減らせます。汚れた水を捨てるというのは、資源の無駄遣いであり地球を汚すことにもつながりますから言語道断ですね。
編集後記:
微生物は強制的に除去するのではなく、自然浄化を後押しする…非常に説得力のある言葉を丁寧にお話してくれた阪本総経理。社員の方がみなさん優しい雰囲気なのは「自然に優しい」製品を作っているからなのか…。微生物は力を発揮するまでに少しの時間が必要、そんなフレーズも、結果を急ぐ現代人の生活に警鐘を鳴らされているような気がした。これまで「衛生用品=ケミカル製品」と考えていた筆者の観念をひっくり返すインタビューとなった。ビッグバイオの製品は上海市内ではシティショップや全洲スーパー、北京や成都ではイトーヨーカ堂で入手できる。
(玉乃わいん)
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