上海っ娘御用達の水着売り場
仕事で数人の上海っ娘へ旅行について取材しているときのこと。この数年、中国では旅行熱が高まり、香港方面のリゾートの島やグアム、サイパン、バリ、プーケットといった人気の海外のリゾート地も人気だ。行き先にも興味があるけれど、海辺のリゾートへの旅支度といえば、真っ先に思い浮かぶのは水着である。上海の女の子たちはどこで調達しているのだろう。
|
|
久光百貨店の水着広告。期間中は「STUDIO J」という特設コーナーが設けられる
|
外資系ソフト会社勤務(30歳)、広告代理店勤務(29歳)、航空会社勤務CA(25歳)の女の子たちは、久光百貨店や伊勢丹で水着を買っているという。品揃えが豊富で、センスもよく、いろいろなバリエーションがあるからいいらしい。リゾート地でのスナップ写真には、ターコイズブルーや赤のビキニをデニムのミニスカートと、トレンドの大きめレンズのサングラスで、セレブ風にキメた彼女たちの姿が映っている。
世界のトレンドと時間差、温度差のないリゾートスタイルを、彼女たちは楽しんでいるのである。
人気はベーシック & シンプル
上海っ娘への取材を通して、プールやスポーツクラブだけではない、リゾートなどの遊び仕様としての水着の需要があることを知ったら、次に気になるのが、どんな水着がウケているかということだ。彼女たちのあいだで、水着が充実していると評判の久光百貨店へ、早速、取材を試みた。
|
|
「安莉芳(エンブリーフォーム)」は、もともと肌着メーカー。コンサバでベーシックだとしてもカッティングでスタイルをよく見せたり、女らしいシルエットに仕上げているが人気の秘密といえよう
|
久光百貨店婦人服担当:前田氏によると、今年はビキニが人気で、パレオつきタイプが増え、プールだけでなくリゾート仕様にも対応できるデザインのものが豊富。白を基調としたものが多かったという。6月後半から7月いっぱいが需要のピークで、とくに、コンサバでベーシックな香港の「安莉芳(エンブリーフォーム)」、ローカルブランドで、シンプル&スポーティなテイストの「HAOSHA」が人気らしい。
|
「HAOSHA」は20〜30歳が購買層。今年は白、黒、オレンジなどの単色使いが目立ったデザイン。シンプルでも、太陽の日差しに映える
|
ほかにも、日本のテイストのものやトレンドの強いラインナップの「San−ai」、花柄や原色使いを得意とするローカルブランド「MIRACLE」といったラインナップが、ここでは主力ブランドだ。価格帯はインポートで600元〜または1500元〜。ローカルなら300〜500元である。テイストも値段も幅広い取り扱いで、自分の気分にもお財布にも見合った水着が見つけられることに納得である。
3点セットの小物使い
|
|
こちらのマネキンは、ゴーグル+浮き輪という出で立ち
|
それにしても、おしゃれな水着だとしても、マネキンが スイムキャップ+ゴーグルというのは、いかがなものか。水着に合わせる羽織ものや小物で、リゾートスタイルを提案したとしても、実際は水着+スイムキャップ+ゴーグルの“3点セット買い”傾向は強いという。(それは、まるでスキーウエアにゴーグルとグローブをセットするような感覚)
だから、水着だけでなく、スイムキャップとゴーグルの売り上げもなかなかで、カラフルな柄や色のスイムキャップやゴーグルのバリエーションが豊富だし、売り場には、所狭しとディスプレイもされている。日本の水着コーナーにはない光景だ。逆手にとって、水着と帽子を上手にカラーコーディネートすれば、ストイックなエクササイズ目的のプールでも、気分を盛り上げるということもできそうだ。
 左)水着と同じ素材で作られたスイムキャップ。色、柄ともにカラフルなデザインが目立つ
右)スイムキャップと同様、カラフルなゴーグル。子供用ではなく大人用でも派手な物が多い
★ ★ ★
海に囲まれた日本に比べて、中国(上海)では、水着が夏の必須アイテムではない。そのため、水着に対するスタイルの概念にも違いがある。学校では水泳の授業もなく、泳げる人も少ないという中国上海の事情もある。サマーランドやハワイアンセンターなんていう、ウオーターレジャーランドも、これからという状況で、水着は、若者にとって身近なアイテムになりきっていない。その一方で、ここ数年のリゾート地への旅行ブームや、健康志向によるプールの利用によって、確実に需要も高まっている。
今年発売された女性誌の春夏号では、水着の特集ページがお目見えし、主なブランドのラインナップを紹介していた。そう思うと、日本のように、「夏の水着200!」なんていう、赤文字雑誌的なキャッチで、誌面を賑わす日も近いのだろうか。夏のお買い物必須アイテムとしての地位確立も遠くはないはずだ。
来年の夏、上海の水着は、さらにパワーアップすること間違いない。
(2006年10月在上海)
石川リエのブログ「Mrs.上海」
|
今月のとっておき

|
|
日本でも競泳用水着メーカーとしてお馴染みの「ARENA」や「SPEED」。最近は、ストイックなものではなく、遊び用にも使えるデザインやプリントのものが増えてきた。露出の高いビキニタイプでも、健康的な肌見せスタイルを実現できるのは、スポーツブランドならでは。久光百貨店内にあるこれらのブランドショップは、年間通して、水着を販売。小物類も見逃せない。メンズも充実している。
|
|
【取材協力】
●上海久光百貨 (ADD:南京西路1618号 TEL:(021)3217-4838)
|