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第6回 中国烟草(たばこ)博物館

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博物館全景
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楊浦区長陽路。バスを降りるとたばこの香りに包まれた。
古い町並みが残る楊浦区の一角に中国烟草博物館は位置する。たばこ工場の目の前にある博物館へはこの香りが導いてくれる。
中国烟草博物館は中国のたばこ企業が共同で出資し総工費1.8億元をかけて2003年に落成したたばこの博物館である。このあまりに立派な建物を見るだけでも中国におけるたばこ産業の規模の大きさと重要さがうかがえるだろう。
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たばこの歴史が刻まれている
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建物は大型商船とマヤ遺跡をモチーフに設計されており、なかなか独創的な外観だ。外壁にぐるっと刻まれているのは花崗岩のレリーフだ。もともとたばこはアメリカ大陸の古代文明で発展してきたものであり、レリーフにはその文化や歴史が描かれている。
 (左)博物館の正面はたばこ工場 (右)とても豪華なエントランス
中国にたばこがもたらされたのは明代万歴年間(1573-1620)。途中一般庶民に対して禁煙令が敷かれたこともあったが、瞬く間に全国各地に普及し、清朝中ごろには葉タバコの自給と輸出も行われるようになった。
 (左)清時代の葉たばこ栽培 (右)禁煙令は庶民だけ
清朝末期には英米を主とする外国資本と技術が流入。それにより中国のたばこ工業は一躍発展したが、市場は外資に独占されていた。愛国運動が高まる中、たばこ市場を外資から奪還するための闘争が繰り広げられたが、次第にたばこ産業は衰退していった。
1982年に中国烟草総公司が成立すると、たばこ製品の国家専売制と産業の中央集中管理が確立。中国のたばこ産業は再び急速に発展し現在に至っている。
現在、中国は世界でも有数のたばこ大国。生産においても消費においてもその数字は他国に抜きん出ている。それはつまりたばこ産業が中国の国民経済の重要な一翼を担っているということだ。
中国には現在33の専売局と烟草公司があり、直轄の工業会社は16社、工場は57社ある。それ以外に1000以上の商業系会社があるといわれており、たばこ産業に従事する人は全国で51万人にのぼる。さらに全国には570万戸の葉たばこの生産農家があるといわれている。
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摘発された偽たばこ
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また2004年には納税額が1414億元と過去最高を記録。国家財政にとってもたばこ産業の維持と発展は欠かせない。
そして専売の影には犯罪も付き物だが、2004年に摘発された偽たばこ事件は26.9万件に達する。「烟草管理館」には実際に押収された偽たばこや製造機も展示されている。
1891年にアメリカの老晋隆洋行が中国で最初の巻きたばこ工場を天津に設立した。その後中国のたばこ工業はさまざまな変遷を経て、改革開放後、最新技術と最新設備の導入により急激な発展を遂げる。たばこの製造工程の変遷や設備の展示もあり興味深い。
 製造方法の移り変わり(左1、右2)
 製造方法の移り変わり(左3、右4)
また、世界的に禁煙が推進されている今、健康問題はたばこ大国中国といえども避けて通れないテーマである。ましてや中国では喫煙が原因で死亡する人は年間120万人。これは世界の4分の1を占める数である。
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喫煙コントロール
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しかしここにはちゃんと「吸烟与控烟館」という喫煙コントロールと健康をテーマにした展示館も用意されているのだ。
しかし当然「努力禁煙!」なんて書いてあるはずはなく、内容は世界の喫煙コントロールの歴史と国内外の喫煙に関する法制度、また喫煙の害を減らすための最新技術の紹介などだった。例えばフィルターにヘモグロビンを浸透させた活性炭を組み込み有害物質を減らすたばこというものまであるらしい。健康も大事だけどたばこも吸いたい、というわがままは技術発展の原動力となっているようだ。まあこのことはたばこの世界に限ったことではないけれど。
 有害を減らす工夫
他にも政治家や文化人が愛用した喫煙グッズの展示や、初期のパッケージラベル、少数民族独特の喫煙グッズなど珍しい展示が数多くあるので愛煙家でなくても楽しめるだろう。
 (左)毛沢東が愛用した灰皿 (右)少数民族の喫煙道具
またたばこ博物館にふさわしくシガーバーも併設されているので見学の後に至福の一服を楽しめるかもしれない。
 (左)様々な種類のたばこ皿 (右)シガーバー
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入場券(左)とおまけの地図(右)
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しかしこれほど立派な博物館なのにこの日の見学者は他に誰一人いなかったし、また週にたったの2日しか開館していないというのも非常にもったいない。シガーバーで気だるそうに油を売る館員の姿もやけに印象的だった。
入場券はとても立派なプラスチック製。一応磁気式になっているのだが使う場所がないのも不思議。中国烟草公司オリジナルの上海地図をプレゼントしてくれた。
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中国烟草博物館
住所:上海市長陽路728号(22、80、843、868、934番バス等)
TEL:(021)6535-9966
開館日:毎週火・木 9:00〜16:00
入場料:10元
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