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第3回 上海公安博物館

上海公安博物館は、1999年に一般開放された中国で初めての公安をテーマにした博物館である。総面積8050平米、7階建ての立派な施設は、世界各国にある警察をテーマにした博物館の中でも大規模なものだ。
博物館内はテーマごとに10の展示館に分かれており、主に2階から4階に配置されている。では、主なる展示館を紹介してみよう。
まず2階は公安史館。大きく分けて、疎開時代の上海の警察機構と、解放後の警察機関の設立過程、また現在までにおける警察機関の変遷に分かれている。
入り口を入るとまず目に飛び込んでくるのは、再現された疎開時代の南京路。そこには警官のような服に身を包んだマネキンが3体。1854年、英国疎開が最も早く警察機構を組織したが、インド人とイギリス人と中国人の警官が共同で街の警備に当たっている当時の様子が再現されている。
また文革期の公安についてや、現在までの発展過程などたくさんの解説パネルがありここを見れば一通り上海の公安の歴史を知ることが出来る。
さて、ざっと公安の歴史を垣間見た後、3階に上がる。入り口を入るといきなり戦争映画のような刑事ドラマのような、物々しいBGMに包まれた。ここは刑事偵査館。これまでに扱った凶悪事件について、写真や実際に使われた凶器などを展示しながら説明している。しかし驚いたことに、加害者はもちろん被害者も実名で、しかも殺害現場の様子、遺体の様子などもモザイクもなしでありありと展示してあるのである。ここではプライバシー云々は関係なく、事件の大きさと、それに立ち向かった警察の偉大さだけが強調されているような気がして、ちょっと後味が悪い。日本ではまずありえない展示だろう。
他には事件解決のために使われている各種特殊機器や法医学、警察犬についてなどの展示がある。
さらに進むと治安館がある。ここには戸籍行政管理についての展示があり、戸籍や身分証、パスポート、各種許可証の発行などに関する資料がある。
また行業場所治安管理として、薬物や賭博の取り締まり、風俗関係の取り締まりについての資料がある。実際に押収された薬物やカジノテーブル、様々な賭博の道具などをみることができ興味深い。
その奥は交通館。交通警察の歴史や、信号機、車のナンバー発行や道路標識、免許証についてなど、交通警察が管轄する事柄全般についての展示がある。また過去の交通事故の事例を挙げながら注意を呼びかけている。
監所館では牢獄の様子が再現されている。牢獄にもいろいろ種類があり、囚人の自傷行為を防止するために牢獄内の四方八方にマットを敷き詰めたものなどは初めて見た。
また、死刑執行の様子を現した模型などは、先の殺害現場にも匹敵する生々しさがあり、いかにも中国らしい。
何かと刺激の強い3階を見終わった後、多少の疲労感を覚えつつ4階へ上がる。4階は消防館。明、清時代の消防についてや、疎開時代の消防隊が使っていた消防車、現在使われている各種消防機器などが展示されている。中には日本から贈られた消火ポンプなどもあった。

その先は装備館。ここには各種銃や警察の制服の歴史などが展示されている。筆者が訪れたこの日、警察学校からたくさんの学生が見学に来ていたが、人気はこの銃コーナーに集中していた。普段はあまり見ることの出来ない本物の拳銃を目に、みんな興味津々だった。この若い学生たちも将来はこれを手に街の治安維持に当たってくれるのだろう。

そして英烈館。ここは殉職した警官や、様々な功績のあった警官62名を称えるコーナーである。ずらっと掲げられた写真の下には彼らの遺品などが並んでいる。写真はどれも皆凛々しく、正義と理想に燃えてその使命を全うした先輩たちの姿に多くの学生が足を止めて見入っていた。

ざっと紹介してみたが、ご覧の通りなかなか見ごたえのある博物館といえる。展示内容や施設の立派さを見ればこの国の公安に対する威信が伺えるだろう。また見学をしているうちに自分が刑事ドラマにでも入り込んでしまったような感覚を覚えるのも面白い。
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上海公安博物館
住所:中国上海瑞金南路518号(斜土路近く)
TEL:(021)6472-0256、2402-5181
開館日:月〜土曜 9:00〜16:00
入場料:成人8元、学生5元
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